そう言えば、そうかも (発達障害グレーゾーン) ~その6:息子現実を知る~
大学進学と一人暮らしを控え、息子はアルバイトをすることとなった。
これは親からの厳命だ。
これから出て行く「お金」を考えたら、いままでアルバイトすることから逃げている息子を許すわけには行かない。
今回のアルバイトもキツイと評判の引越し屋さんのバイト。
アルバイト面接から逃げて、ここにたどり着いた。
高校3年間でのアルバイト回数はたったの2回。
日払いのはずのアルバイト代が入金されたかも確認せず。
・・・う~ん、謎。
息子にとっての「お金」ってなんなのか、全く理解ができない。
お小遣いも渡しておらず、その都度必要なお金を渡してきた。
なので、友達とファミレスに行っても水を飲んでいたらしいし、
お昼抜きでカラオケに行ったこともあるらしい。
靴下に穴が開いてても、買ってくれとも言わないし、
気に入れば、私のお下がりの洋服でも気にせず着る。
友達と遊ぶとか、欲しい服を買うとか、そういう「お金」を稼ぐためのアルバイトに本人が「NO」と言い続けてきたのだ。
だが今回は、うん十万単位で「お金」が必要となる現実に観念したのだろう。
甘い旦那も、今回ばかりは譲らない。
息子は引越し屋のバイトにエントリーした。
息子はバイト時間も言わないし、こっちも聞かない。
朝が早いという事は、前日に聞いたのでベッドの中で聞き耳を立てていた。
アルバイトにエントリーした日の早朝、1人で朝ごはんを食べて出かけて行った。
朝の7時前に出かけて行ったのに、夜の7時になっても帰ってこない。
家族みんなで「遅いね~、どうしたのかね」と言い始めた頃、息子は帰って来た。
帰ってくるなり、二段ベット上の自分の場所に横になって
「疲れた・・・」
夕飯を食べたら?お風呂入ったら?なんて声を掛けて、息子を見ると
泣いている。ポロポロと涙を流しているのだ。
「えっ!!」と驚いて、根ほり葉ほり話を聞いたら、こういう事の様だった。
~息子談~
陸上部で体力があるつもりだったので、半日ではなく、1日のバイトにした。
担当した引越しが荷物が多く、荷物をうまく運ぶことが出来なかった。
しかも荷物を落とした!!
引越し屋の社員に何度も「使えねぇ」と言われた。
声が小さい「聞こえねぇ」って言われた。
1日で100回位「すみません」って言った。
応援に来た、ヤンキー社員に「もうお前、これで辞めんだろ」と言われた。
最後には顔が死んでいると言われて、荷主が手伝ってくれた(??!!!)
荷物運びがシャトルランの様だった。
「お父さんより歳取ってる、小太りのおっさんの方が自分より全然体力あって、110キロ冷蔵庫を運んでた!!社員はヤンキーばっかりだし、前回は配慮してくれたのに、今回は全然配慮がなくて・・・ポロポロ(涙)」
人から怒られるのも
「お母さんに、怒鳴られ慣れているから平気だと思ったのに!!!!」
結論:君は世間知らずの「お坊ちゃん」なのですよ。
推察するに、荷物も多く、引越し先の道が狭く、シャトルランのごとく高速で荷物を運ぶ必要があったらしい。引越しのトラックが道をふさぎ、
近所の住民や、郵便屋さんやらにも「早くしろ!!」と圧を掛けられながらの荷物運びだったようだ。
喉が渇いて3リットルぐらい水を飲んだと言っていたが、それは汗をかいたからではなく、罵られ、圧が掛かる緊張のあまりの喉の渇き。
お昼も食欲がわかなかったらしい。
食欲がない、気持ち悪いと夕飯も食べず、メソメソしていた。
話を聞いた、しっかり者の妹は
「私もアルバイトしたい!!どんな酷い事言われるか体験してみたい!!!」とこっちも「変わっている人」発言・・・。
私は息子に話をした。
お客さんにとっては、お前は引越し屋さんなんだよ。
アルバイトかどうかなんて、関係ない。荷物を落とすなんてあり得ない。
それは使えないよ。
社員のオジサンがすごいのは「荷物運びのコツを知っているから」。
スーパーマンではないよ。
面接を逃げて、大学進学までにできるのは日雇いの仕事だけだよ。
「日雇い」というのは往々にして、肉体労働か、単純作業。
この東京都とこれから行く地方都市では最低賃金が違う。
今しっかり頑張って、最初の3か月は大学の勉強に集中するべきなんじゃない?
「ヤンキーにこれで辞めるなんて言われて、悔しいでしょ。半日でいいから、もう一回アルバイトやってみなさい。」
他のアルバイトでもいい。なんとしても、アルバイトを継続させたい私が、
「お母さんから、お前がアルバイトで稼いだ分と同じ金額の
入学祝をあげよう!!」といったら、
「マジ?!じゃあお金が倍になるってこと?」
一応、それはわかるらしい。
旦那はコンプライアンスがどうの、こうのと言っている。
息子にとっては、そんなことどうでもいいのです。
今、彼が知るべきは、
お金を稼ぐという事の大変さ。
意味のない罵りを聞き流すチカラ。
理不尽なことって、普通にあること。
まずは半歩ぐらい、前進したんじゃない?
アルバイトの後、2日間、身体が痛い、熱が出たとか言って、家でゴロゴロしておりました。
忘れっぽい息子は、今日も雨のなか朝からアルバイトに行きました。
「雨か、ツイてねぇ、ツイてねぇ」と言いながら。
また引越し屋さんです。今回は半日だけどね・・・。
