そう言えば、そうかも (発達障害グレーゾーン) 番外編:不思議な兄を持つ妹
「私、お兄ちゃん嫌いじゃないよ」
淡々としたトーンで妹は言った。
毎日、母との兄の間で繰り広げられる争いの一番の「被害者」と言っても
過言ではない。ギャーギャーとうるさい家で育つハメになってしまった
息子より5歳年下の妹。4月から中学2年生になる。
兄と違い、読書を好み、運動は苦手。
友達作りに苦手意識があり、自称「学校カーストの下の方」。
でも祖父母や、伯母までにも「誕生日おめでとう」とLINEを送ってくれる、優しい思慮深い娘に育った。
私が兄との関係に疲れ泣いて「いつも騒がしくて、ごめんね」と謝ると、肩をポンポンと抱いてくれる、大人びた所もある。
「深く考えられない!!」と断言する兄と違い、慎重すぎると言ってもいいほど慎重だ。兄を反面教師としているのだろう。
兄の一人暮らしが決定し、うれしそうでも、悲しそうでもない。
淡々としている。
兄が友達を連れてきている事も、私に告げ口したことがない。
混ざって、ゲームに興じるお兄さんたちを観察していたようだ。
自分が塾がある日は、お風呂掃除も兄にさせていたようだし、
餃子なんかを焼いて食べるように言われていた日は、
兄に全部やらせていた模様。
「あいつ、なんにもやらないぜ」と兄からも言われている。
息子のお小遣い稼ぎで、妹の塾の送迎をさせていた。
いつも兄は自転車で現れ、妹に「走れ!!」と急かして、走らされていたらしい。思い返せば兄妹喧嘩しているのを見た記憶はそう多くはない。私が仕事でいない時間、持ちつ持たれつで母親に怒られないように過ごしてきたようだ。
中学生になり友達作りに苦戦しているが、学校に行くのは好き。
私から見ると、なにごとも堅苦しく考え過ぎているようで、
「えっ!!そんなこと??」という事をジーっと考えている。
意外と片づけが出来なくて、カバンの中に丸まったプリントが入っている。パンパンに詰まった塾用のリュックを背負って、塾のない日も自習室か
図書館に通っている。その割に成績は上の中位。
タイパが悪い。
コスパが激しく悪い息子と、タイパが悪い娘。
「私たちが真逆で、お母さん大変だね」と娘に言われた。
今頃気が付いたのですか?ママ友からはいつも言われてましたよ。
極端にタイプが違うから、息子で得た経験は娘に役に立たない。
片っ端から忘れていく息子と、執念深く覚えている娘。
ギリギリセーフの息子と、ギリアウトになりがちな娘。
警戒心が薄い息子は幼少期から病院に行っても、歯科医院に行っても
言われるまま、なすがまま。楽ちんだった。
娘は、耳鼻科の先生の白衣に靴跡をつけるほど暴れるし、歯科医院でも
「これから何をするんですか?」と納得しないと口を開けなかった。
「あの先生は、私を子ども扱いしない。」と対等に説明をしてくれる
医師を好む。
私にとって娘を医者に連れて行くのは、最大のストレスだった。
そんな娘の不思議な行動が、ストレス発散泣きだ。
小学生の頃、公文の先生から「よく泣く」とメールをいただいた。
出来ない自分に泣いているのか、泣くシチュエーションでない時も泣く。
「最近泣かなくなりました。」と報告があるほど泣く。
私が迎えに行く頃には、すっきりしてるため私は気が付かないのだ。
泣くのはストレス発散なんだと本人も言っている。はた迷惑な話だ。
中学生になった今でも、時々やる。
それは朝が多くて、数学のワークブックをやりながら、
「英語の課題が終わってない~」と行動が伴わず、
意味がわからない号泣したり、
朝やる必要のない事をやりながら、激しい号泣をするのだ。
ひとしきり泣いて、洗面所で身支度を確認する娘に、
「朝から、意味ないストレス泣きやめてくれない?うるさいから」と
言ったら「ニヤリ」と笑っていた。ストレスは発散されたようだ。
「まだ学生のうちはいいけど、大人になったら怖いからやめた方がいいよ。別なストレス発散方法考えな」とアドバイスはしている。
私も中学生の頃、姉が地方の大学に進学し、家を出た。
私は反抗期真っ盛りで、親の視線が自分に集中するような気がして、
いつも「ム~っ」としていた記憶がある。
大学生の姉とひっきりなしに手紙のやり取りをした。
離れていた時期があったからこそ、姉とは今も仲が良いと思っている。
(一緒に暮らしていた頃は、取っ組み合いの喧嘩もした)
生まれた時からいつもいて、邪魔だと思った時もあったが、
居ないとそれはそれで、微妙なズレを感じる。
家族パズルのピースが抜けたのだから、慣れるまで時間が掛かるものだ。
単身赴任が多かった旦那よりは、あんな兄でも役に立ったのだろう。
しかし、兄には手紙を書く言語能力はない。メール、LINEもしかり。
はたして兄妹の絆はどうなることやら・・・
娘に聞いた。
私:「お兄ちゃんがいなくなったら、どうして欲しい?
ひとりっ子気分を満喫する?それとも犬でも飼う?」
自分も同じ経験をしたこと、親に対する態度を話して聞いてみた。
娘:「お兄ちゃんがいても、塾の自習室行ってるし、これからも行くし。
あんまり生活変わらないかも。犬は可愛いけど、命を預かるって考えると、荷が重いよね~」
相変わらずの淡々とした慎重な発言。つまらん。
娘は当面の間、ストレスが溜まったら、まわりが理解できない号泣をして
ストレスを発散するのだろう。
私自身もイライラを抑えられない「ポンコツな母」である自覚がある。
娘が大人びてしまったのも、私のせいでもあるのだろう。
申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
今でも出かけると手を繋いでくることがある娘は、自分でバランスを取って「ポンコツな母」に甘えているのだろう。
息子は今から、月一で深夜バスで帰ってくると言っている(アホか!!)
旦那が単身赴任から戻って、5月で1年。まだ存在に違和感がある。
相変わらず、毎朝ピリついている。
とりあえずは娘が一生観続けると言っている、ドラえもんの映画に
手を繋いで一緒に行こう。
はじめての父、母、娘の3人暮らし。どうなるかしらね・・・
