【125】 蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具
(*写真は蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具、通称カニスプーン)
「【123】カニパン コレクション」にて、日本食三大原則は、「生食・醗酵・盛り付けと器への拘り」と書いたが、この「器」には食べるための道具も含む。
日本だけにしかない食器はたくさんあり、中でもユニークなのは、この「蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具」だ。英語で何と呼ぶのか不明、と言うか決まってもいないし、知られてもいないのだと思う。先端が湾曲したカニバサミも日本だけ。
私には日本オタクの在日白人の友人が数名いて、いろいろと質問を受けるという話を以前にしたが、その中のイギリス人女性で、日本の旅館に好んで泊まる人がいる。
チャイナ人含む外人全般に言えることは、畳に布団かつ集団入浴が苦手な人が多い。なので昨今のオーバーツーリズムと言えども、純和風の旅館や民宿(個室に風呂がない、畳に布団で寝るタイプ)は、まだまだ外人は少ない。
そんな中、私のイギリス女友人が旅館に泊まる理由は、料理+器だと言うのだ。西洋料理は白い陶器、金属のカトラリーしか使わないのが原則である。しかし和食では、料理ごとに様々な材質と形状の器、カトラリー(相当する日本語がないのだが、要するに手で持って食べるための道具)が存在し、それを見るのが楽しいのだそうだ。
木、竹、ガラス、陶器、漆器、鉄器、葉っぱ、紙、氷、籠、楊枝など、外人からすると奇想天外な器やカトラリーで提供される。冷たいものは冷たいまま、熱いものは熱いまま。目でも楽しませてくれる。
茶碗蒸しには蓋があり、匙は木や竹。冷めないよう、かつ口の中を火傷しないための心遣いだ。デザートのカトラリーは冷たさを感じる金属製。これらは多くの日本人が気づいていない、日本固有の「おもてなし文化」だと言えよう。
