【389】 そのパクリ、不適切にもほどがある!?
(写真はタイムトラベルのイメージ)
前章で触れた阿久悠について、久しぶりに調べ直そうと思い、動画配信サービス内で「阿久悠」と入れて検索したところ、NHKドラマ『昭和歌謡ミュージカル また逢う日まで』がヒットした。
初めて知った番組であったが、ドラマ内で阿久悠の歌が収録されているのだろうと思いながら、暇だったので観てみた。あらすじはざっくりこんな感じだ。
時代は昭和後期、主人公は中小企業の受付嬢。夜は母の営む「スナック箱舟」で接客を手伝い、客とカラオケでデュエットして小銭をもらう。曲はもちろん『ロンリー・チャップリン』。
パワハラ、モラハラ、セクハラ、男尊女卑の世界に辟易し、別の時代に生きたいとこぼす主人公。そこへ現れた見知らぬ客からもらった「飴」を食べると意識を失い、気づいたら令和にタイムトラベル。
そして令和時代。誰も彼もがスマホいじり&撮影中毒、草食系男子、過剰コンプラ、職場での男女の立場逆転など、昭和とのギャップに戸惑う。そして随所に昭和歌謡がミュージカル調で挟まれる。
ドラマ冒頭から、「もしやこれは、アレのパクリじゃないのか?」と思いながら、見終わってからネットで調べたところ、「パクリではなくパクられ。」だったようだ。
それぞれ放映(開始)日は、
2022年4月30日
NHK『昭和歌謡ミュージカル また逢う日まで』
2024年1月26日
TBS『不適切にもほどがある!』
『昭和歌謡〜』では、主人公と幼女が踊りながらピンクレディの『透明人間』を歌い、『不適切〜』では主人公の妻と娘が、『渚のシンドバッド』で踊り歌う。
令和時代から見た昭和後期の不健全さと無礼さ、昭和後期から見た令和初期の人々の無関心さ、無気力さの両方を皮肉る、というスタンスもそっくりだ。
コンセプトもミュージカル調の構成も、あまりにも似過ぎている。個人的は、宮藤官九郎に対して「パクリ断定」をさせてもらう。
かと言って、『不適切〜』を否定しているのではなく、これはこれで傑作だと思う。そもそも人類史、とくにエンターテイメントは、いつの時代もどこの国でも「弛まぬパクリパクられ」の連続で進化してきたのだ。
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さて、「パクリパクられ」はさておき、このブログを書くきっかけとなった「名律」も、ドラマ『昭和歌謡〜』に散りばめられている。名律とは「【001】 NHKドラマ 『しあわせは食べて寝て待て』 とトリたち」を一読されたし。
まず主人公の磯野さえ。これは明らかに「磯野サザエ」の名律である。証拠は、母の名が磯野美舟=磯野フネだからだ。三船敏郎もかかっているのかも知れない。
令和時代で主人公と恋に落ちる「劇団霧笛」の「野比のぼる」は野比のび太。昭和を代表する二大漫画が元ネタだ。脇役の三浦俊彦は、三浦友和+田原俊彦であろう。
「スナック箱舟」は、『僕たちの箱舟』(杉田二郎)、となりの店の「Bar みゆき」は中島みゆき、「劇団霧笛」は『霧笛』(八代亜紀)あたりか。箱舟、霧笛はいろいろな歌詞に登場するので違うかも知れないが、いずれにせよ昭和歌謡が元ネタなのは間違えないだろう。
ドラマのクライマックスでは、野比のぼるが橋の上を走りながら、吉田拓郎の『流星』を叫び歌う。
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たしかな事など 何もなく
ただひたすらに 君が好き
夢はまぶしく 木もれ陽透かす
少女の黒髪 もどかしく
Ah ah 君の欲しいものは 何ですか
『流星』(作詞作曲:吉田拓郎)
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最近の NHKドラマは、昭和世代の年寄りをターゲットにしているとしか思えない。まあ、令和の若者はテレビを見ないから。
つい先日、NHKドラマ『今度生まれたら』(原作:内館牧子)を観たのだが、主人公は松坂慶子、その夫は風間杜夫、義兄は平田満。
これって『蒲田行進曲』じゃねえか!? と声に出して叫んでしまった。なお松坂慶子の役名は夏江である。明らかに狙った配役、役名であろう。
