【101】 月に代わって、おしおきよ!
(*写真は天王星)
ゴメンね 素直じゃなくて
夢の中なら 云える
思考回路は ショート寸前
今すぐ 会いたいよ
『ムーンライト伝説』(作詞:小田佳奈子)
2006年、冥王星が太陽系惑星から外されて、困ったであろうと最初に考えたのが、1992年発表の『美少女戦士セーラームーン』(武内直子)。
「海王星の女王おユキ」に続く、惑星を名則律にした想創話だ。ではキャラを挙げてみよう。
月:月野うさぎ
地球:地場衛
水星:水野亜美
金星:愛野美奈子
火星:火野レイ
木星:木野まこと
土星:土萠ほたる
天王星:天王はるか
海王星:海王みちる
冥王星:冥王せつな
*
ウサギはなぜ月にいるのか?
この元ネタは、「【090】 鹿野苑と鹿鳴館」で紹介したシャカの前世の物語(前生譚)『ジャータカ』にある。古代インドの天の神、帝釈天が老人の姿で現れ、三匹の獣に施しを求めた。ウサギはメインなので外れないが、残りの二匹は資料によって、サル、カワウソ、オオカミなどいろいろなバージョンがある。手塚治虫の『ブッダ』ではクマとキツネだ。
残り二匹は、木の実だの魚だのを持っていくが、ウサギには何も施すものがない。そこでウサギは自ら帝釈天の前の焚き火に飛び込んで、自分の身を捧げた。これに感動した帝釈天は、ウサギを月の世界に祀った、という内容だ。
では餅つきはどこから来たのか?
こっちは道教の神話。遥か西方の崑崙山上にある、天界を統べる母なる女王、西王母。ここの家来は動物であり、ウサギの役割は臼と杵で不老不死の薬を作ること。
仏教+道教+日本の餅つき=月のウサギ、という訳だ。よってセーラームーンは、ギリシャ神話+仏教+道教+日本の餅つき、ということになる。ところで、月がおしおきする、なんて設定の民話や神話があるのだろうか?
なお餅つきは日本発祥。チャイナにはそもそも米の餅はなかった。チャイナ漢字の餅=小麦粉製のパンである。餅つきどころか、チャイナには稲作すらなかった。追々説明していくが、「稲作がチャイナ、コリアから齎された云々」は戦後に作られたプロパガンダであり、戦前には世界中でそんなこと思ってた奴はいない。
