見出し画像

【346】 「闇土葬」が行われている…〈ムスリム土葬墓地不足問題〉 在日イスラム教徒向け霊園経営者が懸念する「最悪の事態」

【このブログの目次はこちら】

(写真はパキスタンの伝統的住居)

週刊現代
2024.12.12
リンクはこちら。

「闇土葬」が行われている…〈ムスリム土葬墓地不足問題〉
在日イスラム教徒向け霊園経営者が懸念する「最悪の事態」

近隣住民の「本音」

いまや日本に住むムスリムは約34万人ともいわれるが、人口増加とともに深刻な問題になっているのが墓不足だ。ムスリムは宗教上の理由で土葬を望むが、火葬率が99.9%を超える国内には土葬可能な墓地は少なく、ムスリムを受け入れている土葬墓地は全国でも10ヵ所程度しかない。 

埼玉県本庄市にある本庄児玉聖地霊園は、ムスリムの土葬を受け入れる霊園のひとつだ。前編記事『「無断で死体を埋められた」「お金を払ってくれない」…ムスリム土葬墓地経営者が明かす、墓不足の「実態」と当事者の「深刻な悩み」』に引き続き、霊園を管理する早川壮丞さん(77)にムスリム向け土葬墓地不足の「実態」と当事者としての「本音」や「悩み」を聞いた――。

ムスリムの土葬墓地を設置するには地元住民の理解が欠かせない。丘陵の頂上にある本庄児玉聖地霊園の場合、周囲には工場や太陽光パネルがあるだけで民家はなく、早川さんは「ムスリムの土葬受け入れについて住民からの強い反対は特になかった」と話す。

近隣住民にも聞いた。

「霊園がある場所ではかつて産業廃棄物の不法投棄が続き、近くの遊水地の水質が悪くなったことがあった。環境への影響という点では産廃問題に比べればまだましだと考えています。霊園に向かうため夜中に白い服を着た外国人が乗った車が何台も通るのは気味悪いが、埋葬されるのはあくまで民家のない場所なので」

一方、本庄市役所の担当者はこう話した。

「市民の方から問い合わせというか、心配の声があるのはたしかです。ただし、土葬については経営者・管理者の方が判断するものであり、行政としてはいいともダメともいう立場ではありません」

「ムスリムと一緒は嫌」と墓じまい

もちろん反対がまったくないわけではない。早川さんは言う。

「ムスリムを受け入れる前からお墓に入っていた方のご家族から強い拒否がありました。『遺体を布で包むだけで土に埋めるのが受け入れられない』という声もあれば、そもそも『ムスリムが嫌だ』という声もありました。

ムスリムの土葬を受け入れたことで墓じまいしてしまった人も多く、日本人のお墓は最大で270基ありましたが、いまは115基に減ってしまいました。『ムスリムと一緒は嫌だ』という強い声を受け、日本人のお墓がある区画からムスリムのお墓が見えないようにする工事を行う予定です」

土葬自体は法律で禁止されていない。自治体の条例に適合し、自治体の許可があれば土葬墓地設置は可能になる。もっとも、ムスリム向けの土葬墓地の設置をめぐり、住民が猛反対したことで計画が中止になったケースは少なくない。

栃木県足利市の郊外にある小高い山。東京都・大塚にモスクを置く宗教法人「日本イスラーム文化センター」が土地を取得し、墓地の建設計画を進めたことがあった。だが、住民の猛反対があり、計画は頓挫してしまった。「日本イスラーム文化センター」が本庄児玉聖地霊園に「ムスリム向けに区画を購入したい」と打診したのは、そのしばらく後のことだった。

ムスリム土葬墓地建設計画が進むも

近年大きな話題になったのが、ムスリム土葬墓地がない九州での騒動だ。大分県別府市の宗教法人「別府ムスリム教会」が、同県日出町に土地を取得。ムスリム専用土葬墓地の設置計画を進めたが、水質汚染や農業への風評被害を理由に住民から反対の声があがった。その結果、計画地が近くの町有地に変更されたが、今度は隣接自治体の住民から反対の声があがり、計画の先行きは不透明だ。

「住民の反対がなかったうちの霊園は珍しいケースかもしれません。関東でも最近、住民の反対により、計画が頓挫したケースが複数あったと聞いております」(早川さん)

茨城県桜川市の郊外、周囲に工場や民家や点在する場所でムスリム向けの土葬墓地建設計画が持ち上がったのは昨年9月。申請したのは、茨城県にある仏教系の宗教法人だが、計画にはムスリム団体も関わっていたという。建設予定地の近くに暮らす住民は言う。

「自治体の条例には違反していないとのことだったが、ムスリム土葬墓地を受け入れるのは難しい。予定地はすぐ目の前。普通に生活して視界に入る。宗教上、土葬が必要だという事情もわかるが、気味悪いというのが本音。

そもそも建設計画について何の説明もなかった。土地を買ったから墓地をつくる。これでは理解は得られない。まずは住民に理解してもらうことから始めないと」

結局、地元住民による反対運動の結果、宗教法人は申請を取り下げ、今年3月に計画は頓挫した。

公営墓地設置への高い壁

墓地用の土地を取得しても住民の理解が得られず、計画が一向に進まない。この状況にムスリムは頭を抱えている。関東地方にあるモスクの関係者は漏らす。

「反対の根拠として水質汚染などが問題視されるが、科学的根拠はない。要は感情の問題。それだけに解決は難しい。墓地問題が深刻なのは、ムスリムの埋葬可能な墓地がない地方。墓地のない地域に住む人は、遠くまで運ぶ必要があり、大きな負担になっている」

日本に住むムスリムが死去した際、母国に輸送して土葬するという手段もあるが、燃料費の高騰もあり、費用は高額だ。

「母国への輸送を望む人もいる一方で、日本に眠りたいと考える人も多い。日本に長く暮らし、家族もいる。家族の近くに眠りたいと考えるのは普通でしょう。近年、日本人の改宗も増えている。つまり自国の人間が土葬を求めているということ。公営のムスリム墓地の設置も検討してほしい」(前出・モスク関係者)

一方で、早川さんはこう話す。

「公営のムスリム土葬墓地の新設を期待する声もありますが、現実的ではないでしょう。公営墓地となると、基本的に税金でまかなわれることになります。人口減少が続く中、そもそも墓地を増やす必要があるのか。そうした考えがお役人さんにはあります」

限界集落の無住寺

ムスリム土葬墓地を取り巻く厳しい現状を受け、早川さんには危惧していることがある。それは「闇土葬」の可能性だ。

「ムスリムは土地を購入して墓地をつくろうとしますが、住民の反対は根強く、土葬可能な墓地は関東地方などに限られています。公営墓地にしても国や自治体は腰が重く、母国に輸送するにしても高い。では、どうするのか。私は脱法行為が行われている可能性があると考えます。つまり無許可の埋葬が行われているのではないか。

限界集落と呼ばれるような地域には無住寺、住職のいなくなった寺が数多くあります。そうした場所を購入して土葬してしまう。これは現実に起こり得ることだと考えます。

実際、私は無断土葬されたことがあります。許可なく埋葬していたパキスタン人は群馬県伊勢崎市にあるモスクの関係者を自称していました。かつて霊園の土地をめぐるトラブルがあり、パキスタン人は『私はこの土地を購入している』という主張を譲らなかった。

彼らは合計で14体もの遺体を無断で埋葬していました。最終的には警察立ち合いの下、念書を取り交わし、先方が200万円を支払う形で解決しましたが、パキスタン人は一銭も払わず行方不明になった。こうした苦い経験があるからこそ最悪の事態を危惧しています」

今度はムスリムが排他的に

外国人技能実習生など海外からの労働者に頼らざるを得ない現実がある中、ムスリムをはじめ外国人が安心して最期を迎えられる環境づくりは欠かせない。

「現実問題として今後もムスリムは増えるでしょう。当然、ムスリム向けの土葬墓地は必要だと思います。課題は山積みですが、何より大事なことは互いに認め合おうとする姿勢です。

他者を認めなければいけないのは日本人だけではありません。ムスリムも同じです。うちはキリスト教徒の土葬も受け入れていますが、ムスリムとは離れた場所に専用の区画があります。理由はムスリム側から『異教徒に近い』とクレームが入ったためです。

それどころか、彼らは『キリスト教徒の墓が見えないように塀を立てろ』と言い出しました。少し前までは墓地がないことに困っていたはずが、人数が増えたこともあり、排他的になっています。

うちの家庭の話をすると、私は仏教、フィリピン人の妻はキリスト教です。信仰する神様はそれぞれであり、考え方もそれぞれですが、死者を弔う気持ちに変わりはありません。残された側は亡くなった方を敬って送り出すだけ。現実問題として場所が限られているのだからこそ、お互いに認め合い、譲れるところは譲るべきだと思います」

多文化共生の理想と現実。埋葬現場の最前線に立つ早川さんの言葉には現実の一端がある。

闇土葬というパワーワード。怖すぎる。

あなたの家の裏庭に、知らぬ間にムスリムの死体が埋められていたら、、、。

週刊現代は、なかなかいい仕事をする。

これが現実だ。

多文化共生なんてものはない。他文化強制である。

自民党はいったい何やってんだ?

次のブログはこちら。

いいなと思ったら応援しよう!