【154】 ヘアとトータス
(写真はラビットとトータス)
ノウサギ(ヘア)とアナウサギ(ラビット)は、全然別の動物であることは、「【144】 碧いうさぎ ずっと待ってる」で述べたが、分かりやすい例を紹介しよう。それはイソップ寓話の「ウサギとカメ」。
西洋言語のタイトルを並べて見ると、
英 The Tortoise and the Hare:陸亀と野兎
独 Die Schildkröte und der Hase:亀と野兎
蘭 De haas en de schildpad:野兎と亀
仏 Le Lièvre et la Tortue:野兎と亀
伊 La lepre e la tartaruga:野兎と陸亀
西 La liebre y la tortuga:野兎と亀
アナウサギ(英 Rabbit)の各言語は、
独 Kaninchen
蘭 Konijn
仏 Lapin
伊 Coniglio
西 Conejo
と、明確に違う単語だ。亀は陸亀だったり、亀全般だったりするが。亀と兎、どっちが先に来るかの違いはあるが、ウサギが野兎であることに違いはない。
アフリカには時速100km近くで走るチーターやガゼル類がいるが、実はヨーロッパ、ひいてはユーラシアでは、ノウサギが最速哺乳類なのである。

超ざっくりの最高速度は、イヌ、オオカミ、キツネ、アナウサギ、ネコでも時速50km程度。シカで60km、サラブレッドの競走馬で70km。しかしノウサギは80kmだ。しかも高速でジグザグ走行ができる走りの天才なのである。だから寓話の主役になったのだ。このイメージは、アルビノアナウサギ=ウサギと思っている日本人には掴みにくい。
アナウサギは敵に狙われたら穴を掘って逃げる。だから前足が発達している。一方ノウサギは高速で走って逃げるため、後ろ足が発達している。全然別の動物なのだ。例えるなら FF か FR かだ。
ノウサギ、草しか食ってないのにこのパワー。
呑気に餅を搗いているようなキャラではないのだ。
