自分の予定、上手く扱えていますか?
手帳が続かないのは、予定になる前にタスクが死んでいるから
手帳を買う瞬間は、少しだけ人生が整う気がする。
今年こそちゃんと書こう。
予定も、やることも、思ったことも、全部ここに集めよう。
そう思って、少しだけ良い手帳を買う。
最初の数日は書く。
予定を書いて、余白にメモを書いて、なんとなく自分がちゃんとしてきた気がする。
でも気づけば、開かなくなる。
問題は、手帳が嫌いなことではない。
たぶん、書く気がないわけでもない。
もっと手前で、用事が死んでいる。
職場で「これ今日中にお願い」と言われる。
その場では覚えている。
メモも取る。
でも直後に電話が鳴る。別件を聞かれる。メールが来る。
さっきのメモは、予定になる前に机の端で埋もれていく。
LINEで「帰りにこれ買ってきて」と来る。
既読にする。
頭の中では「覚えた」と思う。
でも帰り道には、仕事の残りや明日の段取りで頭がいっぱいになっている。
店の前を通り過ぎてから思い出す。
こういうことは、手帳の書き方の問題ではない。
タスク管理アプリの性能の問題でもない。
情報が発生してから、予定になるまでの距離が長すぎる。
手帳は、自分から開きに行かないと始まらない。
アプリも、自分で開いて、入力して、日付を選んで、通知を設定しないと予定にならない。
この一連の作業は、余裕があるときならできる。
でも現実の用事は、そんなきれいな状態で発生しない。
仕事中に来る。
子どもを見ている時に来る。
帰り道に来る。
寝る前に思い出す。
スマホを見ている途中で別の通知に流される。
だから、予定管理が苦手な人ほど、いったん頭の中で保留する。
あとで書こう。
あとで入れよう。
あとで確認しよう。
この「あとで」の間に、タスクは腐る。
ToDoリストを作っても実行されないのは、やる気がないからとは限らない。
リストには入っているのに、「いつやるか」まで落ちていないからだ。
会議はカレンダーに入る。
でも、その会議の準備は入っていない。
資料確認も、返信も、持ち物も、移動前にやることも入っていない。
予定表には大きな予定だけが並び、実際に自分を苦しめる細かい作業は、頭の中に残される。
そして忘れた時だけ、急に姿を現す。
「また忘れたん?」と言われる。
これがしんどい。
忘れたこと自体よりも、忘れる人間だと思われることがしんどい。
ちゃんとしていない人に見えることがしんどい。
だからまた手帳を買う。
タスク管理アプリを入れる。
でもアプリを開くと、未完了のタスクが並んでいる。
それはもう管理画面というより、放置したものの墓場に見える。
ここで必要なのは、立派な管理術ではないのかもしれない。
「予定を管理する」前に、まず思いついた瞬間を逃がさないこと。
予定になる前の情報を、すぐ外に出せること。
その点で、GoogleカレンダーとChatGPTの相性はかなりいい。
「29日の朝8時にリマインドして」
「この写真の予定をカレンダーに入れて」
「これ終わったら通知して」
こう言えるだけで、予定管理は少し変わる。
入力作業ではなく、会話になる。
日付を探す前に、言える。
手帳を開く前に、予定化できる。
もちろん、それで全部が解決するわけではない。
でも、タスクが死ぬ場所は少し減る。
手帳が続かない人に足りないのは、根性ではなく、導線なのだと思う。
きれいに書く力ではなく、思いついた瞬間に逃がす道。
予定を組めない人は、時間にだらしないのではない。
予定になる前のものを、頭の中で抱えすぎている。
そして頭の中は、思っているほど安全な保管場所ではないということ。
