最後まで葛藤した卒業式
先日長男が、卒業式を迎えました。
卒業式の二週間前くらい、担任の先生から「どうしましょう。みんなと一緒に行いますか?それとも個別がいいですかね」
(長男は、中一の冬休み明けから不登校です。)
「多分個別だろうなと思いますが長男に確認してまた連絡しますね。」
長男はすでに夢の中だったので、翌日どうするか聞くと、やはりというか予想通り個別を希望。
そのことを担任の先生に伝えて、聞くと長男以外にも何人かいるよう。長女のときのことを思い出す。(本人の希望で校長室で少人数の卒業式でした。)
時間は三時からですので、と電話で案内を受け当日よろしくお願いいたしますと通話を終えて手帳と壁に下げているカレンダーに時間を記入。
ああ、いよいよ長男も中学校を卒業するのか…。
結局、中一の冬休み明けから教室で授業を受けることはなかったな…。
長男の中学校生活を振り返り、うっかりまた「こうしたら」「ああしていれば」のタラレバの波にさらわれそうになり、いやいや、と心のなかで首を横に振る。
職場体験や校外学習、朝はけして強くないのに頑張って行っていたじゃないか。
葛藤を繰り返した三年間だった。
しっかり聞いたことはないけれど長男はどんな風にこの三年間を感じてきたのかな。
いつか、聞けるかな。
そんな風に思いながら手帳を閉じた。
そして迎えた卒業式当日。
長女が花粉症の関係で喉の痛みを訴えていたので、午前中に病院へ。診察を終えて帰ったら、卒業式の支度をする時間だった。
…が、それなのに長男が寝ている。
病院に行くときは起きていたのに。朝、起きていたのに。
まさか寝てない…?
私は、慌てて長男に声をかける。
「二時になるよ、起きて」
何度か声をかけて、そのたびに反応はあるのだけどいっこうに目覚めようとしない長男。
私は、焦ってしまった。
どうしてこのタイミングで?
第一、今日が卒業式で大事な日って知ってるはずなのに、どうして寝てないの?
どうしてー…
そこまで考えて、違う、寝れなかったんだと気付いた。
気持ちとしては、行ってほしい。中学校最後のけじめの意味でも。
でもそれは本当に何よりも優先させること?
あまっちょろいかもしれない。だけど強制は違うと思った。
だから私は、長男に伝えた。
「今日、どうする?ママとしては行ったほうがいいと思っているんだけど、長男なりに頑張ったし、来月新生活を迎えるにあたって、節目?けじめ?の意味でも。だけど、長男はどうしたい?」
しばらく考えて(おそらく眠さもあり、余計に思考も定まらない)悩む長男。
だけど、もう一度問いかけてみると…
「……出席しない」
と答えた。
複雑な気持ちではあったけど、受け入れると決めたのだ。
「わかった、連絡するね」
そして学校に電話して、ちょうど担任の先生がでたので、そのまま旨を伝えた。
だけど、そうすると結局ほかの日に仕切り直しという形を取ることになるらしく、「今日、夕方でもいいので、来れませんか?」
聞いてみます、と長男に「卒業式には参加しないとだめみたいで、夕方でも来れないか?って。どうする?」と相談した結果、六時に行くことになった。
そのあと一時間ほど長男睡眠。再び支度の時間が近づき、声をかける。
今度は起きられて、制服に着替える。入学のときは私と同じくらいの目線の高さだったのに、いまじゃ長男と話すとき、少し上を向くようになった。
制服のズボンは短くなっていた。
家をでて、学校へ向かう。
長男はたったか先を歩く。
いままでも面談などの用事で二人で行くときいつもそんな感じなのだ。
それを後から私が追いかけるように歩くので端から見たら「あらあら、思春期かしら?それとも親子ケンカ中なのかな?」というような距離感。
でも帰り道は並ぶんだよねえ。長男なりに早く行かねばという気持ちからそうなるのだろうか。
そのまま縦に距離を置いたまま私達は歩き、無事に学校に到着。
いったん控室へ案内され、着けてねと手作りのピンクのお花に安全ピンがついているものを担任の先生から長男に渡される。
少し苦戦しつつも胸元に無事に留められたところで校長室へ。
数名の先生がそこにいて、笑顔で迎えてくれた。
たった一人の卒業式。
後ろから長男の背中を見つめる。
少しして担任の先生が長男の名前を呼ぶ。
「はいっ」
しっかりと返事をする長男。
ピンっと張ったよく通る声だった。
もう、それだけでも嬉しくて目元が潤んでしまった。
いまも書いていてその時の長男の姿が浮かんで泣いてしまいそうになる。
卒業証書を受けとる姿もピシッとしてて、すごく誇らしい気持ちにさえなった。
そのあとは校長室が「おめでとう」の言葉と沢山の拍手で埋まって、笑みがこぼれる。
ちゃんと卒業式できたね。
そのあと担任の先生から「せっかくだから教室行く?」と誘いをうけ、いつも長男、断っていたのだけど「あ…じゃあ…」と三人で教室へ。
卒業式までのカウントダウンを生徒が書いたものが教卓に残され、がらんとしていた。
黒板にはクラス目標の大きな紙が貼っており、最後にせっかくだからとそれをバックに長男だけと私とツーショットと二枚、写真を撮った。
控室に再び戻ると、先生たちが廊下で待っててくれて最後まで笑顔で長男を見送ってくれた。
帰り道「なんかすごいVIP待遇みたいな感じになっていたね、ちょっと照れちゃうね」なんて話した。
とてもいい卒業式だった。
四月から長男もいよいよ高校生活。
頑張ったね。まずは楽しんでほしいな。
卒業おめでとーう♪
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
真夜中のカフェでした。
