不正出血に悩む方へ|タイプ別・わたしに合った漢方薬の選び方と暮らしの整え方
「生理の予定日じゃないのに出血した」「最近、不正出血がときどき起こる」――そんなお悩みはありませんか?
不正出血は多くの女性が経験する症状ですが、漢方の世界では、その背景にある「生理痛の有無」と「子宮筋腫の有無」によって、選ぶべき漢方薬が大きく変わってきます。
今回は、当薬局の動画で漢方専門薬剤師がわかりやすく解説した「不正出血の漢方の選び方」と「日常の養生法」をご紹介します。
動画のポイント|まずは「2つのチェックポイント」を確認
動画では、不正出血を改善するために「生理痛があるか」「子宮筋腫があるか」の2点をまず確認するよう説明しています。このチェックの組み合わせによって、選ぶべき漢方薬が変わるためです。
タイプ別|不正出血の漢方薬の選び方
タイプ①:不正出血のみ(生理痛・筋腫なし)→「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が代表的な選択肢とされています。血(ケツ)を補い、巡りを整えながら、余分な水分を排出する働きが期待され、ムクミや冷え、疲れやすさにも向き合う処方として紹介されていました。
タイプ②:不正出血+生理痛あり→まず「生理痛の改善」を優先するのが漢方的な考え方とされています。生理痛は「気と血の巡りの滞り」や「瘀血(おけつ)」のサインととらえ、そこを整えることで不正出血も落ち着くことが多い、と説明されています。
タイプ③:不正出血+子宮筋腫あり→「当帰芍薬散」に「水蛭製剤(すいてつせいざい)」を併用する考え方が紹介されています。水蛭製剤は、明朝期の医学書『本草綱目』にも記載がある古くから使われてきた生薬で、「血の塊」をていねいにほぐしていくのを得意とされています。
タイプ④:不正出血+生理痛+子宮筋腫→こちらも「当帰芍薬散+水蛭製剤」の併用が基本として説明されています。全体のバランスを整えながら、固まった瘀血をよりやわらかにほぐしていくイメージです。
漢方薬剤師からの補足|体を中から整える養生のヒント
動画の後半では、漢方薬とあわせて「日常の養生」もとても大事として紹介されています。漢方薬局「運龍堂」でのご相談でも、処方と養生をセットでご提案することが多いので、ここでポイントを補足します。
【血を補い、巡らせる食材を】
黒豆、黒ごま、黒きくらげ、ひじき、プルーン、なつめ、くこの実、ほうれん草、レバー、赤身の肉、マグロ、カツオ、あさり、しじみなどは、「黒・赤」の食材として血を補う代表選手とされています。タマネギ、にんにく、生姜、ネギ、ラッキョウ、青魚(サバ・イワシ・アジなど)、納豆は、血の巡りをよくする食材としておすすめされています。
【体を冷やさない】
冷たい飲み物、生野菜ばかりの食事、アイスクリームは、血の巡りを悪くするとされており、生理前後や不正出血がある時期はとくに温かい食事を意識したいものです。甘いものや油っこいものも、「痰湿(たんしつ)」をためて血の巡りを妨げる要因になりやすいとされています。
【タイミングのよい睡眠を】
漢方では、夜の23時〜朝3時を「血を養う時間」として重視します。少しでもこの時間帯に眠れるよう、遅くとも0時までには布団に入ることが、血の質を高めていくひとつの養生になります。
【適度な運動とストレスケアを】
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、穏やかな運動は血と気の巡りを助けてくれます。一方で、激しすぎる運動は身体を消耗させてしまうため、「ちょうどよい」を意識していただけると安心です。ストレスは「気の巡り」を滞らせ、それが血の巡りも乱します。趣味の時間や深呼吸、環境の切り替えも、しっかりとした養生としておすすめしたいところです。
【下腹部と腰を温める】
腹巻きやカイロ、半身浴(38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分程度)などで、下半身をじんわりと温めることも、体質改善のための重要なケアとしてご紹介していました。
まとめ|不正出血は、「体質から」より起こりにくい状態へ
不正出血は、「生理痛の有無」と「子宮筋腫の有無」を手がかりに、「当帰芍薬散」「水蛭製剤」などの漢方薬をうまく組み合わせることで、体の中から起こりにくい体質へと近づけるとされています。そこに「血を養う食事」「体を冷やさない生活」「よい睡眠」といった養生を重ねていくのが、漢方ならではのアプローチです。
ただし、不正出血が長く続いたり、出血量が多かったりする場合は、重大な病気が隠れていることもあるため、必ず婦人科での受診もあわせて考えていただければと思います。
運龍堂からのご案内
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