2-② なぜ、人の感情を自分の責任だと感じてしまうのか — 優しさや共感力だけでは説明できない話 —
この文章は、
「自分のことなのに、なぜか他人のことで疲れている」
と感じている人のために書いています。
ここでは、優しさや性格の問題「だけ」ではなく、
気づかないうちに身についていた「関係の癖」を見ていきます。
直さなくていい。
変えなくていい。
まずは、何が起きていたのかを一緒に確認していきましょう。
今日は「共感が強い」話ではありません。
相手の感情が、自分の課題になってしまう話です。
「なぜか、私が背負っている気がしてしまう」
• 相手が落ち込んでいると、自分が何か悪い気がする
• 相手の機嫌を直せなかった自分を責めてしまう
• 問題が起きると反射的に「どうにかしなきゃ」と思う
そう感じてしまうのは、
優しすぎる性格、気にしすぎる性格だけではありません。
よくある誤解 「責任感が強いから」だけではない
• 共感力が高い
• 責任感が強い
• 優しい人
この説明は、半分は合っています。
でも問題は、
「相手の感情を感じてしまうこと」ではありません。
問題は、
相手の感情の「処理」までも
やる前提になっていることです。
感情の「処理係」になった瞬間
誰かが不安になる。
誰かが不機嫌になる。
場の空気が揺れる。
そのとき「誰がその感情をどうにかするのか」が、
暗黙に決まっていた環境があったのではないでしょうか。
何も言われなくても、
「自分が動く役目」だと感じる空気が
あったのかもしれません。
それは家族かもしれない。
職場かもしれない。
社会全体かもしれない。
本来、感情は
それぞれの内側のものであり
各自で扱われるもの。
でもいつの間にか、
「誰かの感情を代わりに引き受ける役割」が
生まれることがあります。
なぜ「自分の責任」に感じてしまうのか
• 放っておくと関係が壊れそうに感じる
• 何もしないと冷たい人間になる気がする
• 相手が苦しんでいるのに何もしないのが悪い
これは、相手を支配したいからでも、
自分が正しいと思っているからでもありません。
「自分が何とかしなかった結果」を想像する癖が、
強く残っているのではないでしょうか。
安心を「相手の状態」に預けるようになった
自分の感情より先に、
相手の感情を安定させることを覚えると、
基準の置き場は自然と外側に寄っていきます。
そうなると、
相手の感情が不安定なままだと、
自分まで落ち着かなくなってしまいます。
弱さではなく、適応だった
人の感情を背負う癖は、
生き延びるために身につけた可能性があります。
だから、間違ったやり方ではなかった。
ただ、今はそのやり方の負荷が
大きくなっているだけです。
では、なぜそんな役割を引き受けざるを得なかったのか。
次は「性格」より前、
境界線が育ちにくい環境の話になります。
