8,000円で損切りされた男
奢り奢られ論争って未だにあるんですかね?
わたしは「借りは作りたくねぇ!」思想つよつよ人間なので、基本的には割り勘が楽だなーと思っています。
なんなら、相手がお手洗いに立った隙に会計を済ませたり、相手を押しのけてでも支払いします!と主張しがちなので、着々と”ご飯奢りおばさん”へ進化を遂げつつあります。
良い人ぶりたい訳ではなくて、
例えば11,000円のお会計を、相手が6千円・わたしが5千円支払ったとして、たかが千円如きで「奢ってやったぜ」オーラを出されるのが癇に障るからです。
血の気が多いにも程がある。
そんなわけでおもしれー男シリーズです。
前回はこちら↓↓
今回も特にエロはありませんが、
若干きしょい表現が出てくるかもしれません。
1 お相手について
お名前:たかしさん(仮)
年齢:当時38歳前後(10歳上くらい)
職業:営業マン
雰囲気:西島秀俊さんを薄めた感じで清潔感のある方だった
マッチから初回デートまでの期間:1週間
2マッチしてから初アポまで
幾多の失敗を繰り返しながら性懲りもなくTinderを使い倒していた頃、わたしは基本的に同年代か年下とばかりマッチしていました。
なんとなくなのですが、年上男性への苦手意識があったからです。
しかし、ふと、「食わず嫌いは人生損しているのでは?」と思い立ちます。
落ち着きや包容力、経験に裏打ちされたテクニック、何より、若造には出せない色気を帯びた大人の余裕、それらを味わうことができるはず。
そこで、15歳くらい上まで対象年齢を広げたところ、タイミング良くたかしさんとマッチするに至ったのです。
メッセージのやり取りは比較的普通。
お互い、大人な目的で会うことは合意済みでしたが、「いきなりホテルもなんだし、まずご飯でも行こう」と提案され、お店の予約から顔写真の交換まで、一連のやり取りをスムーズに行うことができました。
強いて言えば、
メッセージに絵文字が盛り沢山でややおじさん構文味を感じざるを得なかったり、
顔写真を送った直後から「早くいっぱい犯してあげたい」とか「タイプすぎて1回で終わらせてあげられないかも」とか、そこそこきしょい発言が見受けられましたが、
わたしレベルになると、そんなものはかすり傷にすらなりません。
こちとら踏んできた場数が違うんだよ。
3TPOってご存知ですか?
当日、彼は仕事で少し遅れると連絡をくれました。到着後もきちんと謝ってくれましたし、ちゃんとした人だなと思ったのを覚えています。
食事中も概ね普通でした。
普通すぎて、あまり印象に残っていません。
人類は「普通の人と普通に出会いたい」だなんてわがまま言うくせに、普通過ぎると記憶にも残してもらえないなんて、なんのバグですか。
ただ一つだけ気になったことがありました。
声のボリューム調節が死ぬほど下手なことです。
「今まで何人くらい会った?」「いつもそういうことしてるの?」「俺の、サイズ凄いから病みつきになるかもね」
という頭の悪い内容を、雰囲気のいいイタリアンのお店で、まぁまぁの声量で話すのです。
うん、1回黙って。
ガヤガヤした居酒屋さんだったり、個室ならまだしも、お洒落で落ち着いた雰囲気のお店で、下世話な話するの止められます?無理なんですか?
悪い人ではないんだろうけど、なんというか…。
TPOを弁えるって大事だよなぁ。
4事件は現場で起こった
一応無事に食事が終わり、お会計は2人で8000円ほど。
割り勘でいいのかしら、なんて考えていたところ、彼がこう口にします。
「財布忘れたから支払いお願いしていい?」
なるほど、財布を忘れたと。
仕事終わりに急いで向かってきたみたいだし、人間だからそういうこともありますよね、うん。
なんとか言葉を飲み込もうと悶えるわたしの返事を待たず、たかしさんは続けます。
「その代わり、ホテル代は俺が奢るね」
ホテル代を奢るとは?
そもそも、財布ないのに?
身体で払うとかそういう類のギャグなのか?
と思いつつ、その場の会計はすべてわたしが持つことになりました。
レジで支払いを済ませるわたしを置いて、そそくさと店の外に出て行ったたかしさん。わたしがお店の外に出ると、
「ごちそうさま!」と満面の笑みを浮かべます。
あー、やったわこいつ。
一瞬でわたしの心のシャッターが下りました。
同時に、年上男性への幻想も砕け散りました。
閉店ガラガラ、二度と会うことはないでしょう。
後生なんで、わたしが貴方を殴ってしまう前に目の前から消えてくれないかしら。まだ捕まりたくはないので。
5戦略的撤退は負けではない
店を出てからも、「じゃあ、ホテル行こうか」と腰に手を回してくるたかしさんとの小競り合いは続きます。
「そういえば財布ないんですよね?」
「そもそもホテル代の支払いって財布ないと無理だと思ってました」
「というか、忘れたとかじゃなくて落としたのかもですね?」
「一応心配だし、警察行った方がいいんじゃないですか?」
「わたしなら不安で落ち着かないです」
「交番で聞くだけ聞いたらどうですか?」
結果、無事に解散と相成りました。
財布がないなら仕方ないですよね、本当に残念でした。えぇ、とても、心の底から、残念です。財布がないんですもんね…。ね、どうしようもないですもんね。ほら、財布ないし。
その後、わたしは別の相手と飲みに行き、無事ホテルまで辿り着きましたので、当初の目的は果たすことができました。
フットワークの軽い男性は良いな…。
ちなみにたかしさんはというと、解散から20分程経って、「財布カバンの中にあった笑」「今から合流しよ!」という連絡が来ました。
良かったですね。おやすみなさい。
6あとがき
財布に関しては本当に忘れただけだったのかどうか、正直分かりません。あの「ごちそうさま!」も、礼儀として言っただけで、本当に悪意はなかったのかもしれません。
まぁ、支払いを10歳年下に丸投げした挙句に満面の笑みでのごちそうさまは、「煽ってんな」としか思えないんですけど。
ただ、一つ言うとするならば
最初からホテル直行にしておけば良かったのに。
つまらない見栄は身を亡ぼすというありがたい教訓を得たところで、
本日もお粗末さまでした。
