わたしには、サンタさんがいた
わたしには“サンタさん”がいる。
そのサンタさんは、わたしが喜ぶと、いつもうれしそうにしてくれる。
イルミネーションを見て笑っていると、同じように笑ってわたしを見てくれる。
サンタさんが作ってくれたご飯を食べて「美味しい」と言うと、「よかった」と言って笑ってくれる。
「何がいい?」「何が食べたい?」「どこ行きたい?」「何したい?」と、いつも聞いて、叶えようとしてくれる。
答えられない日でも、必ずわたしを喜ばせてくれる。
そんなサンタさんは、月に2回、大きな袋を抱えて、堂々と玄関から家に入ってくる。
ぽっこりしたお腹に、少し伸びた髭。
夏は汗びっしょりで、疲れた日は目の下にクマができていることもある。
それでも笑顔で、わたしのところへ来てくれる。
子どもたちもサンタさんを見ると駆け寄って、
「なにかある?♪」
と目を輝かせる。
サンタさんはうれしそうに袋からお菓子を取り出し、子どもたちはぴょんぴょん跳ねて喜ぶ。
「かわいい〜♡」と抱きしめる姿に、見ているわたしの頬もゆるむ。
サンタさんが、ふっとわたしを見る。
今度は、わたしの好きな魚やカニ、ナマコやエビを袋から取り出す。
サンタさんは漁師ではない。
朝5時から働くサンタさんが、そのときどきの旬のもの、美味しいもの、そしてわたしの好きなものを選んで持ってきてくれる。
「キレイだね」
「大きいね」
「脂のってるね」
「美味しそうだね」
ふたりで並んで笑う。
その魚介類を使って、疲れていても汗をかいていても、サンタさんは台所に立ってくれる。
わたしのために。
カニを茹で、熱さを我慢しながら殻をむき、カニ味噌をつけた大きな身をわたしの口へ。
魚を捌く包丁の音が響き、味見用の醤油もそっと用意される。
甘辛い煮付けの香りに誘われて行くと、「ちょっとおいで」とスプーンを差し出して待っている。
「美味しい」と言うと、「よかった」と満足そうに笑う。
わたしには一番美味しいところ、いちばん大きいところ。
量も、いつもわたしの方が多い。
「カハリーに喜んでもらえることが一番うれしい」
そう言ってくれるサンタさんの言葉は、13年前から変わらない。
まだ付き合っていなかった頃、イルミネーションを一緒に見た日。
「カハリーを見たらずっと笑っててうれしかった」と言ってくれた、あの気持ちのまま。
わたしは、サンタさんのために何ができているんだろうと思う日もある。
やってもらってばかりで情けないと感じることもある。
けれど、わたしが笑うだけでうれしそうにしてくれる姿。力が抜けて、さっきとは違う柔らかな顔で笑っている自分がいる。
わたしは、サンタさんがいてくれて、本当に幸せだ。
12月25日にも必ずプレゼントをくれるサンタさん。
娘と寝ている横で目が覚めた夜、ぽっこりしたお腹のシルエットがガサガサ動いているのを見たことがある。
サンタさんだった。
目が合うと静かにぺこり。
わたしは眠くてすぐにまた目を閉じた。
朝になると、子どもたちが階段を走って降りながらプレゼントを喜ぶ。
「ママのもあるよ!」と言われ、わたしはにっこり。
わたしの心をあたためる、優しい色のお花がそこにある。
でも、わたしは自分にもサンタさんが来ることを、毎年のように忘れてしまう。
朝になって慌てているサンタさんを見たこともある。
目の前にぽんと置かれたプレゼント。
メガネをかけて覗くと、わたしの好きな黄色とピンクのお花。
ああ、わたしのサンタさんがくれたんだ、と心がふわっとした。
クリスマスは子どものもの。
自分にもサンタさんが来るなんて忘れていた。
でもこの前、5歳の娘に聞かれた。
「ママは、サンタさんから何がほしい?」
そのとき気づいた。
そうか、わたしにはサンタさんがいるんだ。
欲しいものを言わないわたしに、毎年どうにか喜ばせようとしてくれるサンタさん。
その優しさに甘えることも、きっと悪くない。
なにげなく過ごしていると、ふとしたときに気づく、さりげなく差し出してくれる優しい愛。
そんな愛情ほど、心やわらかく包んでくれる。
わたしたちも誰かのサンタさんでいられるように、今日をやさしく過ごしていこう。
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お読みいただき、ありがとうございます。
今回は、元看護師のよしちゃんさんが考えてくださったクリスマス企画 #ゆるく楽しいクリスマス企画 に参加させていただきました!
私のアイコンとヘッダーが、クリスマスになったのも、よしちゃんさんのこちらの記事がきっかけです♪
よしちゃんさんとは、コメントをくださったことがきっかけでつながり、どんな方へも感謝を忘れない気持ちに惹かれました。
今は、元看護師を生かした子育てママさんへ温活シリーズを書いてくださっています。
みなさんとの輪を広げて、つながりを大切にしてくださる方です♡
いつもママの味方で、たくさんのアイデアや気づきを、ありがとうございます♪
