「ぼく……漢字苦手」からのビックビックニュース!!
「ぼく……漢字苦手」
学校から帰ってきた息子が、ぽつりと言った。

わが家には、小学校2年生の息子がいる。
勉強はそこそこ。
スポーツもそこそこ。
飛び抜けて何かができるわけでもなく、
飛び抜けて何かができないわけでもない。
好きなことは、
調べたり、記録したり、アイデアを出すこと。
そんな息子は、宿題もほとんど自分でやる。
床に転がったランドセル。
たまに夜まで玄関に置かれたままなこともあって、帰ってすぐやることもあれば、やらないこともあるけど。
始めたら止まることなくやり切る姿には感心する。
最近は、使ったお箸はランドセルから出してくれるようになった。
でも、学校からの手紙や、丸をつけてもらったプリントは、そのままになっていることが多い。
そのため、私も気にしてランドセルの中のファイルを見る。
持ち帰ったプリント。
算数が好きな息子は、ほぼ満点。
漢字もそこそこ。
「がんばってるんだな」って感じてる。
でもある日、
先生からの言葉が目に止まった。
「がんばっておぼえようね!」
丸つけされた漢字のプリントに書いてあった。
私は手に持ったまま、近くにいた息子に言った。
「難しかったんやね」
そう言うと、息子は言った。
「ぼく……漢字苦手」
いつもニコニコしていて、
好きなことや楽しいことを話してくれる息子。
でも、そのときは違った。
勉強に対して、初めて見せた、
自分に向き合っている姿だった。
それを聞いて、私も夫も言った。
「ママも漢字苦手だったんだよ〜。同じだね」
「パパも苦手やったー。覚えられんよねー」
息子は何も言わなかったけど、
“わかるよ”って、伝えたかった。
昨年度の持久走大会では、
順位よりも「走ることが好き」と言っていた息子。
今年の運動会では、一緒に走る4人みんなが、息子より頭ひとつ分体が大きかった。
練習では転んでも最後まで走り切り、その姿を校長先生が全校生徒に話してくれたと、担任の先生に教えてもらった。
誰かと比べることよりも、
自分の楽しさを大事にできる。
うまくいかなくても、
やり切る力がある。
でも……
学校では、「苦手」と向き合わないといけないこともあるんだよね。
きっと、「漢字が苦手」と感じている息子は、
しんどい思いをしているんだろうなと思った。
私もそうだったから。
それを教えてくれたとき、
親として何ができるのかなって思った。
せめて、苦手でも、
楽しさだけは残してあげたい。
息子と話した。
どうやったら漢字を覚えられるかな?
楽しみながらできたらいいよね。
って。
息子は以前から本が好きで、毎日読んでいる。
辞書を出してきて6年生で習う漢字を真似して書いたり、
身の回りで目に止まった漢字を書いたりもしている。
興味はある。
そんな息子が出したアイデアは、これだった。
「漢字のカルタがいいんじゃない!」
まだどう作ればいいのか悩んではいるけど、
「漢字が嫌い」にはなっていないと感じられて、ホッとした。
計画帳を見ると、ときどき小テストがあることを知った。
「漢字が苦手」と知った数日後、
テストの前の晩、一緒に練習することにした。
私が紙に問題を書いて、息子が答えを書く。
クイズが好きな息子は、
間違えると悔しくて、
「もう一回!」
と繰り返す。
自信がつくと、
「丸つけて!花丸も書いて!」と、うれしそうにする。
「そろそろお風呂入ろ」と言っても、
“できた”が楽しくて、止まらない。
また、息子は2年生になって、
文字をゆっくり丁寧に書くようになった。
止め、はね、はらいも気をつけながら。
きれいに書けると「見て見て!」と言ってきて、私と勝負もする。
先生に細かく直されることもあって、
ちょっと落ち込むこともあると思う。
でも先生は丁寧に見てくれて、
できたときは丸がいっぱい。
褒め言葉も小さく、いろんなところに書いてくれている。
息子はどんどんきれいな字が書けるようになり、自信になっている。
覚えることは大変かもしれない。
でも漢字に対して、「苦手」だけではなく、
「できる喜び」も経験させてもらっている。
その中で、どう「苦手」に向き合うか。
一緒に練習すると、意外と楽しんでやっている。
そして、その翌日。
息子が帰ってきて言った。
「ママ!
ビックビックニューーース!!」
いつもは、なかなか開けられないランドセル。
でも、その日は違った。
自分から、丸つけされた算数と漢字のプリントを出してきた。
3つとも満点だった。
普段は、100点でも何も言わない息子。
でも、その瞬間は、
小さな苦手を乗り越えた喜びがあふれているように見えた。
苦手があるから、
できた喜びを感じることができる。
苦手でも、楽しみを見つけていく。
息子の「漢字苦手」から、
苦手なことへの向き合い方を教えてもらった気がする。
「ビックビックニューーース!!」
あのときの顔は、忘れない。

お読みいただき、ありがとうございました。
カルタは、知り合いの先生から、漢字は「成り立ち」で覚えるといいと教えてもらいました。
息子の好きな【クイズ】と【成り立ち】を掛け合わせながら、「正解・不正解」ではなく、「取れた・悔しい」を楽しめるカルタを、子どもたちと一緒に作れたらいいなと考えています♪
他にも「こんなのいいよ」というのがあれば、
ぜひ教えてください^^
ありがとうございました。
