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薬局の閻魔帳 ー「大丈夫、回ってます」は管理薬剤師もだいたい盛ってるー

閻魔「お前、管理薬剤師やな。」

管理薬剤師「はい。現場は一応、回ってます。」

閻魔「“一応”て言うた時点で、もう煙出とるがな。
ほな聞くで。ほんまに回っとるんか?」

管理薬剤師「回ってます。なんとか。」

閻魔「出た、“なんとか”。
管理薬剤師の“なんとか”は、だいたい一人が見えへんところで3人分しんどい思いしとる時の言葉や。」

管理薬剤師「まあ、多少は。」

閻魔「多少ちゃう。
お前、朝出勤した瞬間から
『今日人足りる?』
『あの薬まだ入らん?』
『新人メンタル大丈夫?』
『監査いつ来る?』
を同時に考えとるやろ。」

管理薬剤師「考えてます。」

閻魔「知っとる。
管理薬剤師の脳みそ、だいたい常時タブ12個開いとる。」

管理薬剤師「閉じてもまた増えるんです。」

閻魔「ブラウザやないねん。
次。シフト、ちゃんと組めとるか?」

管理薬剤師「組んでます。」

閻魔「“組んでる”やなくて、“祈ってる”やろ。
急な休みが出ませんように、誰も体調崩しませんように、月末に謎の混雑来ませんように、って毎月神頼みしとるがな。」

管理薬剤師「シフトは生き物なので。」

閻魔「便利な言い方やな。
お前のシフト表、完成品やなくて“希望的観測”やろ。」

管理薬剤師「否定はしません。」

閻魔「次。在庫管理。」

管理薬剤師「見てます。」

閻魔「見てるな。
でも“足りないのは怖い”“余るのも怖い”の間で、ずっと細い橋渡っとるやろ。」

管理薬剤師「そうです。」

閻魔「しかも欠品が絡んだ瞬間、顔だけ平静で心の中では
『は?今!?』
って3回くらい言うとる。」

管理薬剤師「顔には出してません。」

閻魔「出してへん。
でも電話切ったあと、空の棚を3秒見つめる時間あるやろ。」

管理薬剤師「あります。」

閻魔「知っとる。
管理薬剤師の3秒停止、だいたい心の再起動や。」

管理薬剤師「必要なんです。」

閻魔「次。スタッフ管理。」

管理薬剤師「やってます。」

閻魔「やってるな。
でも実際は“管理”やなくて“天気予報”やろ。
今日はこの人ちょっと機嫌重いな、新人しぼんでるな、あの二人今あんまり会話させん方がええな、って。」

管理薬剤師「……あります。」

閻魔「薬局の管理薬剤師、だいたい人間関係の気圧まで見てる。」

管理薬剤師「円滑に回すには必要です。」

閻魔「せやのに自分の機嫌は後回しやろ。」

管理薬剤師「まあ……そうですね。」

閻魔「知っとる。
スタッフには
『無理しないでね』
って言うくせに、自分は昼休憩でおにぎりを3口で飲んで終わりや。」

管理薬剤師「忙しい日は。」

閻魔「忙しくない日あるんか。」

管理薬剤師「……ないです。」

閻魔「次。監査対応。」

管理薬剤師「準備してます。」

閻魔「してるな。
でも監査前だけ、急に棚も書類も床も全部気になり出すやろ。
普段見えてへんホコリまで行政の目線で見始める。」

管理薬剤師「気になります。」

閻魔「お前、監査前の一週間だけ
“この世のすべては記録されていなければならない”
みたいな宗教に入っとる。」

管理薬剤師「言い方。」

閻魔「ほんで普段は
“あとでまとめよう”
って積んでた紙を見て、静かに遠い目する。」

管理薬剤師「それは……あります。」

閻魔「あるな。
管理薬剤師の机、だいたい“今は見ないことにしてる案件”の地層や。」

管理薬剤師「ちゃんと処理してます。」

閻魔「最終的にはな。
でも“今じゃない”を何回か重ねて、最後に自分で苦しんどる。」

管理薬剤師「否定しません。」

閻魔「次。現場対応。」

管理薬剤師「やってます。」

閻魔「やってる。
ただしトラブル起きた時、お前だけ急に声が低くなるな。」

管理薬剤師「落ち着いて対応してるだけです。」

閻魔「本人はな。
でも周りから見たら“あ、今ほんまにヤバいやつや”ってわかる低さや。」

管理薬剤師「そんなにですか。」

閻魔「そんなにや。
しかもお前、自分が出た方が早い案件に弱い。
『説明します』『電話します』『在庫確認します』って、気づいたら全部自分で持っていっとる。」

管理薬剤師「その方が早いので。」

閻魔「出た。
管理薬剤師をすり減らす最強の呪文
“その方が早い”
や。」

管理薬剤師「でも任せきれないこともあるんです。」

閻魔「ある。
せやけどその結果、お前だけ仕事がいつも“閉店後に本番”やろ。」

管理薬剤師「……。」

閻魔「営業時間中は現場、閉店後は書類、帰宅後は明日の段取り。
勤務終了の概念、どこ置いてきた。」

管理薬剤師「管理薬剤師にそれはないです。」

閻魔「怖いことサラッと言うな。」

管理薬剤師「でも現場は好きです。」

閻魔「それはほんまやな。」

管理薬剤師「えっ。」

閻魔「嫌やったらそこまで背負わへん。
文句言いながらも、新人が育ったらうれしいし、患者さんが落ち着いたら安心するし、無事に一日終わったらちょっと誇らしいやろ。」

管理薬剤師「……はい。」

閻魔「でもその“好き”に甘えて、自分のしんどさを後回しにしすぎや。」

管理薬剤師「それは、そうかもしれません。」

閻魔「“私が回さな”で立っとる管理薬剤師、だいたい一回ちゃんと休んだ方がええ。」

管理薬剤師「休んだら回らないんです。」

閻魔「その発想がもう地獄寄りや。」

管理薬剤師「じゃあ、合格ですか。」

閻魔「不合格や。」

管理薬剤師「なんでですか。」

閻魔「“大丈夫、回ってます”が盛っとるからや。
正しくは
“みんなで何とか回してるけど、その中心でお前がちょっとずつ削れとる”
や。」

管理薬剤師「救いがあるようで、だいぶ嫌ですね。」

閻魔「現実や。
でも安心せえ。管理薬剤師なんて、だいたいそんなもんや。」

管理薬剤師「全然安心できません。」

閻魔「ほな来年は
“もうベテランの顔してるけど、休みの日まで職場のこと考えてる管理薬剤師”
としてまた呼ぶ。」

管理薬剤師「地獄、評価面談みたいになってきましたね。」

閻魔「せや。
薬局も地獄も、だいたい見てる。」



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だるお・もちりすたん チップありがとうございます‼️‼️ 感謝感激雨嵐‼️‼️