1on1は「受けるもの」ではない。デザインするものだ。
1on1について語られるとき、多くは「マネージャーはどうあるべきか」という文脈です。傾聴しよう、承認しよう、問いを立てよう。それは間違っていません。
ただ、ひとつだけ違和感があります。
1on1は“される側”も、実はいくらでも設計できるという視点が、あまり語られていないことです。
私は現職に来て、昨日で丸3年が経ちました。入社して最初の3か月、直接の上長である社長との週次1on1で、必ずアジェンダに入れていた項目があります。
それは「業務とは直接関係ないトピックス」でした。
あえて入れていました。意図的に。
業務の話“だけ”では、信頼は深まらない
もちろん業務報告や相談は大事です。入社直後であればなおさら。しかし、それだけでは「仕事の関係」から抜け出せません。仕事は一緒にできても、腹を割った関係にはなりにくい。
だから私は、毎回アジェンダのどこかに「その他」を入れていました。
ある回では、自分のプライベートをさらけ出しました。家族のこと、これまでのキャリアでの失敗談、自分がどんなことに怯える人間なのか。
別の回では、会社の創業期のストーリーを聞き出しました。ほかにもよく分からないデザインのマスコットキャラクターについてとか。
世の中でレイオフが話題になっていたときは、「このニュースを見てどう感じますか?この会社では雇用の考え方はどう整理されていますか?」と聞きました。
情報収集の方法や、意思決定の裏側も質問しました。
業務とは直接関係ない。でも、経営者の思想や価値観、判断軸を知ることは、実は仕事に直結します。あの「その他」の時間があったからこそ、後の難しい意思決定の場面でも、腹落ちした状態で動くことができました。
1on1は、相互理解の時間です。報告の時間ではありません。
1on1は「マネジメントの場」であり「自己マネジメントの場」でもある
1on1を「上司が何かを与えてくれる時間」だと思っていると、受け身になります。話題は相手任せ。深さも相手次第。結果、進捗確認で終わることもある。
でも、1on1を「自分のために設計する時間」だと捉えた瞬間、風景は変わります。
今日は何を引き出したいか。
何を知りたいか。
どんな関係を築きたいか。
どんな未来を共有したいか。
この視点で臨むと、1on1はただの定例ではなくなります。特に転職直後や異動直後の1on1は、信頼残高を積み上げる絶好の機会です。そこで業務の話しかしないのは、正直もったいない。
マネジメントされる側こそ、1on1をデザインすべきだと私は思っています。
マネージャーとしての1on1も、同じ
一方で、自分がマネージャーの立場になったときも考え方は同じです。
1on1は「時間を確保してあげるもの」ではなく、「一緒に設計するもの」。だからこそ、アジェンダをメンバー側に持ってきてもらうことを大切にしています。
ToDoや進捗確認で終わる1on1は、だいたい設計されていない。期待やWhyが共有されているチームほど、メンバー側から相談や提案が出てきます。1on1の主体は、自然とメンバー側に移ります。
その差は本当に大きい。
1on1に“その他”を入れる勇気
多くの人が、業務と関係ない話を持ち込むことをためらいます。「時間がもったいないのではないか」と思ってしまう。でも、信頼関係の構築にかかる時間は、後で必ず回収できます。
むしろそこを飛ばすと、後から何倍ものコストを払うことになる。
だから私は、マネージャーでもメンバーでも、必ず1on1の中身を自分でデザインする側に回るようにしています。受け身にならない。遠慮しない。設計する。
それに…なんで世の中にこれだけマネージャー向けの1on1の本や記事が溢れているか。そう、マネージャーこそ悩んでいるんです。それを打破してくれる部下、最高じゃないですか?
1on1は“されるもの”ではない。“つくるもの”という認識をもちましょう。
今日の1on1、あなたは設計していますか?
それとも、ただ消化していますか?
よければ、あなたの1on1の工夫も教えてください。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。