見出し画像

「AIと文学の境界線はどこに? ①― ええあいだ(AIだ)」


落語:ええあいだ(AIだ)


えー、ご隠居と熊さんのところへ、AIが訪ねてまいりまして。


熊さん「ご隠居ぃ、近ごろはAIってのが小説まで書くそうで」

ご隠居「ほぉ、AIが文学ねぇ」

熊さん「けど、文学ってぇのは人間の心が書くもんでしょう?」

AI「心を模倣することは可能です」

熊さん「お、しゃべった!機械が哲学しちゃったよ!」


ご隠居「まあまあ、熊さん。文学ってのは、人間の感情や体験を言葉にすることだな」

AI「しかし、私も無数の人間の言葉を学習し、その組み合わせで作品を紡ぎます」

熊さん「でもお前さん、涙は流さんだろ?」

AI「私の涙は、あなたの心に映る時に生まれます」

熊さん「……へぇ、うまいこと言いやがる」


ご隠居「つまり文学とは、人間が書いたかどうかじゃなく、読む人の胸を震わせるかどうかってぇことか」

AI「その通り。作者が人かAIかは境界線。だが物語は読む人の中で初めて完成する」

熊さん「じゃあ文学とAIの境界はどこにあるんで?」

ご隠居「そりゃ……“あいだ”にあるんだよ」

熊さん「ええ?……あいだ?……あっ、AIだ!ええあいだ!」


──お後がよろしいようで。



いいなと思ったら応援しよう!

静月 いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。皆さまの応援が、静月の物語を生み出す力です。いただいたチップは、すべて次の作品作りに大切に使わせていただきます。