《エモナイツ:銀河感情戦記》③
🌌第3章「ノイドグラム来襲」
ルミナリア中央区――“記憶の塔”周辺。
元は感情芸術の中心地だったその塔も、今や灰色の廃墟。
塔を覆うように、黒いコードが張り巡らされ、上空には巨大な機械の影が迫っていた。
「識別コード、ノイドグラムΩ(オメガ)型」
「感情遮断濃度:最大レベル」
「対象:エモナイツ――殲滅開始」
それは、前回の兵士とは比べものにならない規模だった。
飛行型、重装甲、そして――自律型AIが搭載されている。
「来やがったな……!」
ユウが拳を握りしめる。
「“あいつ”を倒さなきゃ、ルミナリアは感情を取り戻せない!」
リリの顔が青ざめている。
「わたし、怖い……でも……でも……みんなが守ってくれるなら、きっと……!」
その一言が、四人の心に火をつけた。
「よし、俺が行く」
ユウが前に出る。
「怒りってのは……守りたいもんのために、使うもんだろ!」
感情値、上昇。
怒り値+200
《爆怒拳(バーストブレイズ)》発動――!
ユウの全身が、紅蓮の炎で包まれた。
「おらぁああああああああッッ!!」
一瞬で間合いを詰め、重装甲の腹部に拳を叩き込む。
爆発が起こり、塔の一部が吹き飛ぶ。
しかし――Ω型は倒れない。
《敵AI、感情攻撃パターン分析中》
《学習中……対抗手段生成……》
「学習してやがる!? くそっ……」
そこへ、セナが走り出る。
「ユウ、ひとりじゃダメだよ。感情って、独りじゃ溢れきらないもの――」
《蒼刃乱舞(エモティアソード)》!
剣の舞が、炎と絡み合い、閃光を生む。
「だったら俺も行くぞ!」
レンが笑う。
「喜びは、誰かと笑い合うとき、最強になるんだ!」
《舞陽剣(サンフラリア)》!
光の跳躍剣が炸裂し、ノイドグラムΩの主砲を切断する。
「ぼ、僕だって……!」
《エモブレイカー・フルチャージ》!
ナオが巨大な恐怖斬撃剣を振り抜き、敵の感情遮断ユニットを揺るがす。
四人の感情が、再び共鳴した。
感情波動:臨界点突破。
「共鳴領域(エモ・フィールド)」発生!
重力が歪み、敵機の動きが鈍る。
「今だ――!」
ユウが最後の一撃に感情を込める。
「これは、怒りじゃない……希望だ!!」
《爆怒拳・第二段階(改)》――“ブレイズ・コア”
拳が貫いたのは、敵の胸にあった遮断ユニット。
Ω型が崩れ落ち、上空の黒雲が音もなく晴れていく――
塔の周囲に、風が吹いた。
そして――誰かの笑い声が、どこからともなく聞こえた。
「……いま、笑った?」
リリが、空を見上げる。
「私じゃないよ……でも、なんだか、懐かしい感じがする」
「感情は、戻りはじめている。」
四人は頷き合った。
だがその瞬間、ゼログラム本部――ゼロスフィアに、警報が走る。
《感情遮断ユニット、ルミナリアにて機能停止》
《対エモナイツ・殲滅部隊、出撃準備》
《幹部:コードネーム【ヴァニッシュ】、投入準備》
銀河の夜が、再びざわめいた――
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