金縛りで気配が近づく、声が出ない、誰かの視界が見える。何年も繰り返してたどり着いた正体は、少し拍子抜けだった
金縛りになったこと、ありますか。
私が初めてなったのは中学生の頃で、自分のベッドで普通に寝ていた時でした。
ふと気づくと、体が動かないんです。意識はあるし、目も薄く開いている気がする。でも手も足も、指一本も動かせない。声を出そうとしても出ない。「え、何これ」と混乱しているうちに、今度は気配がしました。
部屋の中に、誰かいるんです。
なんとなく、女性だと思いました。根拠はないんですが、そう感じました。それが少しずつ近づいてくる。怖さがどんどん積み上がっていって、頂点に達した瞬間、ガクッと目が覚めました。
心臓はバクバクだし、しばらく動けなかったし、正直もう一度寝るのが怖かったです。
あれが、金縛りとの最初の出会いでした。そこから何年も、金縛りとつきあうことになります。この記事は、その記録です。
日本人の約4割が経験する「睡眠のバグ」の話
後から知ったのですが、金縛りには「睡眠麻痺」という医学用語があって、日本人の約40%が一生に一度は経験するとされています。思春期に初めて体験する人が多く、最初の体験は中学生の頃という人が半数近い、というデータもあるそうです。
つまり、珍しいことじゃない。
でも、経験している最中はそんなこと知る由もなかったし、知っていたとしても「またバグが来た」なんて冷静にはなれなかったと思います。
仕組みとしては、眠りが浅いレム睡眠のときに、脳だけが先に目覚めてしまうことで起きるそうです。体はまだ眠っているので動けない。脳は起きているので意識はある。この不一致が、金縛りの正体です。
ただ、それを知っても、体験中の恐怖は別の話で。
分かっていても、怖いものは怖いんです。
体が固まる前の感覚。足先から頭へ、あの独特の痺れ
何度も経験しているうちに、金縛りが「来る前の感覚」に気づくようになりました。
足の先から、じわじわと痺れが上がってくるんです。足、膝、腰、胸、首、頭。この順番で痺れが上がっていって、頭まで到達したら体が固まる。
この「あ、来るな」という感覚が分かるようになってから、一度だけ振り払えたことがあります。「やばい」と思って力を振り絞ったら、途中で起き上がれた。解除できた、とほっとしたんですが、もう一度寝たら結局なりました。
そして、これは何度も経験して気づいたことなんですが、一夜に2回連続でなったことは一度もありません。一度なった日は、その後なぜかぐっすり眠れる。理由は今もよく分かりませんが、確かにそうでした。
弟のエアーベッドで寝ると、なぜか百発百中だった謎
もう一つ、不思議な体験があります。
弟のエアーベッド(空気で膨らませるタイプのやつ)で寝ると、なぜか百発百中で金縛りになるんです。普段まったくならない時期でも、あのベッドで寝るとほぼ必ずなる。
なぜかは分かりません。後から調べると、仰向けで寝ると金縛りが起きやすいというデータがあって、エアーベッドの柔らかさで体が自然と仰向けに固定されてしまうからかもしれない。でも、確信はないです。
あれ以来、エアーベッドで寝るのはやめました。
なりだすと毎日来る。そしてなかなか終わらない
金縛りには、波があります。
何ヶ月もない時期が続いたと思ったら、急になり始める。そして、なりだすと毎日のようになる時期が続く。これが地味につらかった。
「また今日もなるんじゃないか」と、寝る前に考えるようになるんです。そして不思議なことに、金縛りのことを考えながら寝ると、なりやすい気がする。意識が向いてしまうからか、自分で呼び寄せてしまっているのか。
慣れてはきても、なるのは嫌です。毎日続く時期は、寝ること自体が少し憂鬱でした。
ここまでが、私の金縛りの「日常」の話です。
でも、一番怖かった体験は「体が動かない」という話じゃありませんでした。ここから先は、その話です。正直、思い出しながら書くのも少しぞわっとする内容ですが、怖い話だけで終わらせるつもりもありません。
続きに書いてあるのは、こんな話です。
誰かの目線で、玄関から自分の部屋に近づいてくる映像が見えた夜
「助けてくれ」と叫び続けたのに、友達には「ただ寝てる人」に見えていた話
寝る向き、電話しながら、大勢で寝る。防ごうとして全部試した結果
正体を知った日、あれだけ怖かったのに拍子抜けした理由
ストレスとの妙な関係と、不眠症がひどい時期はむしろならなかった謎
今日から試せること(なりたくない人向け/なってみたい人向け)
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