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【3分で読める】心理士の私が「脳をハック」された日――奪われたのは、お金ではなく家族への真心だった

「助けてください」

その言葉に、指が止まりました。

契約トラブルで、本来は高価な日本製の一生ものが倉庫に残っている。
今だけ、特別価格で譲りたい。

その瞬間、頭の中に物語が一気に組み上がりました。

前から欲しかった品質の良いフライパンが、安く手に入る。
職人も助かる。
料理好きのパパ(義理の息子)にも贈れる。

正直に言えば、最初に動いたのは
「一生ものを安く手に入れたい」という気持ちでした。

でもそこに
「困っている人を助けられる」という意味が重なった瞬間、
それは【最高に最高に正しい選択】へと姿を変えました。

三個セットを迷わず押したとき、
胸の奥は少し誇らしかったのです。


数日後、商品が届きました。

娘に箱を差し出すと、返ってきたのは一言。

「それ、パパは要らないって言うんじゃない?」

一瞬、反発が先に立ちました。

どんな商品か分かれば、きっと考えは変わる。
私はそう思い、自分の正しさを証明しようとしました。

保証書があるはず。
製造元が明記されているはず。

箱の中を探しました。
何もありませんでした。

送り状を見ると、発送元は中国・広東省深圳市。

カード履歴から業者名を調べ、
同じ広告について書かれたページを開いたとき、
画面に並んでいたのは「詐欺」という文字でした。

その瞬間、胸の奥が静かに冷えました。

ああ、私は騙されていたのだと。


悔しかった。

お金よりも、
あの誇らしかった時間が。

助けになれるかもしれない。
家族に喜ばれるかもしれない。

そう思っていた、あの時間。

安く買いたいという欲も、
助けたいというやさしさも、
どちらも確かに私の中にあった。

欲と善意が、きれいに並んだ瞬間。
疑う余白がなくなっていたのかもしれません。

私は悪かったのではなく、
整いすぎた物語にうっとりしていただけでした。


今回の救いは、娘の一言でした。

「まあ仕方ない。」

そう言ってくれる人がそばにいること。

誰かを想って何かを選ぶときほど、
一度、他の視点にさらしてみる。

それだけで、守れるものがある。

私はいま、チャージバック申請という
泥臭い現実的な手続きをしています。

けれどそれは、
地に足のついた大切な一歩です。

次は、家族みんなで笑って選べるものを。

物語ではなく、
手触りのある安心を。


もしあなたが、

「助けたい」
「お得に買いたい」
「喜ばせたい」

そんな気持ちが同時に動いたとき。

その気持ちは、間違いではありません。

ただ一度、
他の目で見てみる。

善意を疑うのではなく、
善意を守るために。

やさしさを持っているあなたは、
もう十分、誠実です。

そして今、
視点をひとつ増やしたあなたは、
以前より静かな強さを持っています。

それが、あなたの変化です。

私もまた、揺れながら立て直す途中にいます。

この体験も、「生存戦略」というテーマの中で
少しずつ言葉にしていこうと思います。


よければ、こちらもどうぞ。

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あいさん💗Iカウンセリングルーム セラピスト/ 臨床心理士×公認心理師|支援歴16年・2,000名超 もし、応援したいと感じていただけたら。 その気持ちを、そっと置いていただけたら嬉しいです🕊️ あたたかな応援を、ありがとうございます。