「どうしてこんなに怖いの?」カエル恐怖症の奥にあった「愛されない子」という感覚
※この記事には一部有料部分があります。トラウマに関する内容を含みます。
本当に必要としている方に、届けば嬉しく思います。
無理に過去を思い出す必要はありません。
読めるところだけ、今のペースで大丈夫です。
私は子どものころから、長い間カエルがとても怖い人間でした。
道で見かけたら遠回り。
玄関にいたら、家に入れない。
新学期に教科書をもらうときも、ページをめくるのが怖かったのを覚えています。
どの教科の教科書にも、カエルが出てくる可能性があったからです。
もし写真が出てきたらどうしようと、本気で緊張しながらページをめくっていました。
しかも私は、サンリオのキャラクター「けろけろけろっぴ」の立体すら苦手でした。
自分でも、どうしてここまで怖いのかわかりませんでした。
そんな私の怖さが少しずつ変わっていったのは、
トラウマの記憶をやさしく整理していく方法
(EMDRという心理療法です)
がきっかけでした。
カエルの記憶は何度もよみがえった
カエルが怖いだけではなく、もう一つ困っていたことがありました。
カエルを見た後、その場所にいた記憶が何度も頭に浮かんでしまうのです。
胸がぞくっとする。
腕がゾワゾワする。
まるで今そこにいるような感覚でした。
心理学ではこうした現象を「侵入症状」と呼びます。
トラウマ体験の特徴の一つです。
実習で扱った記憶
大学院の実習では、学生同士でペアになり、順番にEMDRを体験しました。
私はカエルの恐怖を扱うことにしました。
小学校のころのある記憶として、
通学路の溝の中を泳いでいたカエルの姿がありました。
ただ、カエルの怖さ自体は、それより前からずっと続いていました。
だから私は、
「きっと何かきっかけがあるはずだ」と思い、
大人になってから、よく一緒に遊んでもらった従弟に尋ねたことがあります。
すると、川で遊んでいるときに背中にカエルを入れられたり、
かなり無茶なことをされていた、という話を聞きました。
ああ、これがきっかけだったのかもしれない。
そう思ったのを覚えています。
EMDRの処理を進めると、
カエルに対する強い恐怖や体の反応は、その場でやわらいでいきました。
長い間悩んでいた感覚が、
短い時間で変化したことに驚きました。
けれどそのあと、別の感覚が残りました。
どこかぽっかりとした感じ。
うまく言葉にならない、重たい感覚。
数日間、その意味を考えているうちに、
ふと気づいたことがありました。
私のこころの奥に
「私は愛されていない子なのではないか」
という感覚があったことです。
私は1歳半で母を亡くしています。
父とも一緒に暮らしたことはなく、
祖父母に育てられました。
祖父母は、できる範囲で
大切にしてくれていたと思います。
それでもこころのどこかで
私は愛されない子なのではないか
そんな感覚を持っていたようでした。
カエルの怖さがやわらいだことで、
その奥にあった感覚に気づけるようになったのかもしれません。
そして私は、この体験を通して一つのことに気づきました。
「怖さ」や「生きづらさ」には理由がある
そうした視点で整理していく中で、こんな声をいただきました。
「小さな頃の自分を思い出して、
『こうしてほしかったね』と声をかけてあげることができました。
すべてが解決したわけではないけれど、
小さな自分を連れ戻しに行けたような感覚がありました。」

大きな変化ではなくても、
そうした小さな感覚の変化が、前に進むきっかけになることもあります。
もしあなたが
・どうしても消えない怖さがある
・同じ記憶が何度もよみがえる
・理由のわからない生きづらさを感じている
そんな感覚を持っているなら、
理由がわかるだけでも、こころは少し軽くなることがあります。
ただ、
「わかったのに戻ってしまう」
そんな感覚に悩む方も少なくありません。
記憶や感情は、理解するだけでは整理しきれないこともあります。
ここから先では
・なぜ記憶が残り続けるのか
・どうすれば少しずつ整理されていくのか
その仕組みとプロセスを、心理士の視点からやさしく整理していきます。
専門用語も出てきますが、できるだけわかりやすくお伝えします。
ここまで読んでくださったあなたは、
すでにご自身の感じ方に少し気づき始めているかもしれません。
そしてその感覚には、ちゃんと理由があります。
なぜ、あのときの記憶が今も強く残っているのでしょうか。
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