🎁【特別編:バレンタイン🍫】溶けないうちに、届けたくて。― 遠距離恋愛の切なさ ―
※本作は、連載
『一緒にいるのに、孤独を感じる私 ― ASDと愛着障害の二人』の
特別編🍫です。
バレンタインが近づくと、街は甘い香りに包まれる。
遠く離れて暮らす私たちにとって、その香りは少しだけ胸をチクリと刺す。
用意したのは、二つの箱だった。
ひとつは、キャラメルとクリームチーズを合わせた濃厚なバスク風ケーキ。
オーブンの前で、ぷっくーと膨らむ生地を見守りながら、
「おいしいって言ってくれるかな」と、彼の笑顔を何度も想像した。
もうひとつは、気取らないチョコクランチ。
「これは、明日からの君の日常のお腹を満たすためのものだよ」
そんな、ささやかなエールを込めた。
会えるのは、駅前のカフェ。
新幹線を使うほどではないけれど、特急電車に揺られて数時間。
ただ「届ける」ためだけに、私はこの時間をかけてやってきた。
「……どう? キャラメルとチーズなの?」
私から問いかけないと、感想は聞こえてこない。
「……うん。おいしい」
「苦くなかった?」
「大丈夫」
その、飾らない短い言葉を聞いて、
私のこころは、ようやく深いところでホッ、と息をついた。
ただ、食べてくれる姿を。
その喉が動くのを、自分の目で確かめたかった。
その安心のためだけに、今日があったのだと思う。
駅のホームで電車を待つ間、
彼は、私の手をずっと繋いでいてくれた。
特別な言葉はない。
コートのポケットの近くで、大きな手が私の手を包み込む。
その温もりに浸りながら、
「ああ、この体温を閉じ込めて持って帰れたらいいのに」と、
私はわがままなことを考える。
けれど、穏やかな時間は砂時計のように、容赦なくこぼれ落ちていく。
ホームに電車が着き、
私はその扉の前に立った。
「じゃあね」
「気をつけて」
短い言葉を交わして、
私たちはそれぞれの日常へ、背中を向ける。
一人になった瞬間、
さっきまでの体温が嘘のように消えて、胸の奥がひんやりと冷たくなる。
会わなければ、こんなに寂しくならないのに。
帰りの電車に揺られながら、
こころは喜びから寂しさへと、コロコロと転がり落ちていく。
翌朝。
『おはよう。クランチ、仕事の合間に食べてね。今日も頑張ろう』
しばらくして、返信がくる。
『頑張る。ありがとう。』
相変わらず素っ気ない。
でも、確かなやり取り。
また、朝のLINEと夜の会話だけが続いていく日々。
この切なさを、
ただの痛みとして追い払うのではなく、
私は大切に預かっておこうと思う。
寂しさが深いのは、
それだけ彼という存在が、
私のなかに根を張っている証なのだと思う。
※サキとユウのこれまでの物語はこちらのマガジンから読めます。
「切なさ」を自分を支えるアンカー(錨)にするために
扉が閉まり、電車がゆっくりと動き出す。
その瞬間、急に世界から色が消えたような、胸が「すとん」と空洞になるあの感覚。
あれは、こころが不安定になった証ではありません。
むしろ――あなたの中に、確かな絆が育っているしるしです。
心理学ではそれを「アタッチメント(愛着)」と呼びます。
大切な存在とつながることで、人は安心を感じます。
だから離れたときに寂しくなるのは、壊れているからではなく、ちゃんと愛しているから。
でも、その「愛しているからこそ生まれる切なさ」が、
時に重すぎて、自分を見失いそうになることはありませんか?
ひとりで帰る夜の冷たさ。
次に会える日までの遠さ。
こころが少しずつ削られていくように感じるのは、
あなたがそれだけ誠実に、真剣に、相手を想っているからこそ。
ここから先では、その切なさを「ただ耐える痛み」にするのではなく、
離れているあいだもあなたを守り、支えてくれる
“アンカー(錨)”へと育てていく具体的な方法をお伝えします。
寂しさに飲み込まれそうな夜、
あなた自身が自分のセラピストになれるように。
私がカウンセリングの現場でも大切にしている、
「手のひらからこころを整えるワーク」と「つながりの育て方」をまとめました。
遠距離の夜を、少しだけ温かく過ごすための
小さなお守りとして受け取っていただけたら嬉しいです。
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この季節だからこそ、
切なさを抱えているあなたへ。
通常1,480円の記事を、
2月末日までの期間限定で980円にてお届けします。
遠距離の夜を乗り越えるための
「こころのアンカー」として、
そっと手元に置いていただけたら嬉しいです。
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生きづらさを手放す、こころの土台づくり
生きづらさは、あなたの弱さや努力不足ではありません。 自責の癖は、親との関係性の中で引き継がれてきた 世代間連鎖かもしれません。 そこに…
もし、応援したいと感じていただけたら。 その気持ちを、そっと置いていただけたら嬉しいです🕊️ あたたかな応援を、ありがとうございます。
