終わりは突然に
どこに書けばいいか分からず、ここに聞き止めていこうと思います。
創作関係でもないし、エッセイでもない。
ただ一つの思い出を忘れたくなくて書いていく。
自分が筆を折りゲームに熱中していた頃に出会った作品。
Bungieという会社が作った「Destiny」
まだAPEXもVALORANTもなかった頃。
PvP(対人戦)のイメージが強いFPSにPvE(NPC戦)の要素を主軸に作られた珍しいタイトル。
日本では爆発的な人気は出なかったものの、根強いプレイヤーが支えていた。
そのDestinyが来月に終わりを迎えることがわかった。
正確にはDestiny2ではあるが……。
自分はこのゲームで、人生の恩師と呼べる人達に出会えた。
当時は創作での筆を折った経験も含め、仕事も上手く出来ず、少し荒れていた時期でもあった。
倒した相手を煽り、声を荒らげて馬鹿にする。
きっと当時にXが盛んであれば、晒されていただろう。
そんな時に1人のプレイヤーと出会った。
念の為Hさんとしておく。彼は決して上手いプレイヤーではなかった。
むしろ下手な方だった。対人戦どころか、NPC戦でも倒れてしまう始末。
どうしてここで前に出た?とか思える程に下手。
初めは「何やってんだ下手くそ」と声を荒らげそうになった。
でも自分はそれが不思議と出来なかった。
彼が誰よりもこの「Destiny」を楽しんでいたからだ。
倒されると謝り、こちらがへまをしても笑って許してくれる。
時間いっぱい戦って、もう落ち(ログアウト)なければいけない時間になると、画面の向こうで頭を下げてるイメージが出来るくらい「本当に下手でごめんね」と謝ってくる。
今までの自分なら、暴言を吐いて2度と遊ぶ事は無かっただろう。
でも不思議とこの人とは、また遊びたいと思った。
そんな事が続くと何時しか彼との時間が楽しみになっていた。
1週間をかけて少しづつ進めていく高難度のNPC戦。
良い報酬が出れば、誰であろうとHさんは喜んでいた。
その頃にはたくさんのフレンドが出来ていた。
6人で挑むレイドのプロと呼ばれていたYさん。
1人のところをたまたまマッチングで出会い仲良くなったSさん。
いつも不遇で不運で、なのに情報は誰よりも早く、笑わせくれたTさん。
この5人でVCを繋いで遊んでいた。
誰かが入ればVCに招待して、インしてくれば自然と入ってくる。そんな空間が何よりも好きだった。
何時しか自分も荒れるような事は無かった。
Hさんに1度だけ叱られた事もあった
「人として下がるような事はしてはいけない」
現職がお坊さんだった事もあってか、Hさんは当時の自分から見たら凄く穏やかで、達観していたように見えた。
彼の周りにはめちゃくちゃ上手い人も下手な人も集まる程に好かれていた。
楽しい思い出はずっと続いていた。
お互いをわかった上で馬鹿にし合えるような関係。
当時の自分よりも2倍や3倍歳上の方達だったのに。気にせず色々な事を話し合えた。
この武器が強いと嘘ついて使わせたり、蘇生が出来るからとトイレ休憩中の人のキャラを皆で崖から落としたり。
技を使いまくって本番でリキャスト来なくて使えなくてワイプしたり。
グレて学校の途中から不登校となり、友達がいないまま大人になった自分にとってかけがえのない4人でした。
そしてDestinyがDestiny2へと変わってから、それぞれが新しいタイトルで遊ぶ事が増えた。
でもHさんだけはDestiny2を主に遊んでいた気がします。
時には集まって遊び、違うゲームをしててもVCは繋ぐ。
そんな時を過ごしていました。
でも自分だけはそれを長く続けられなかった。
別ゲームに熱中して、そちらのVCに入るようになったんです。
Hさん達を疎かにした訳ではありません。
「あっちは何時でも帰れる場所」
そう思っていたんです。
そんな時が長く続いたある日。
Hさんが体調不良を理由にインしなくなった事を、Yさんから聞きました。
そしてそれが癌だった事も。
Yさんいわく「3ヶ月くらい入院して手術もする。戻ったらまた皆で集まろう。Bさん(自分)にも伝えておいて」
でもそれをYさんから聞いたのは、少し経ってからでした。
Yさんも忙しくなってしまいあまりインが出来ず、お互いのインしている時間がズレてしまったりと色々な要因が重なりました。
Hさんなら、すぐ戻るだろうとYさんも思っていたそうです。
年末だった事もあったので、年末の挨拶も兼ねてHさんのアカウントにメッセージを送りました。
それが2024年。
彼からの返信は来ていません。
オンラインになった形跡もありません。
自分と出会った頃に60代だったHさん。
おそらく70代には入っています。
誰よりもゲームが好きだったHさん。
仕事や用事が無ければ必ずゲームにインしていたので、入って来ないと言う事は、そういう事なんだと思います。
そう思っています。
今は自分は創作に戻り、たまにゲームをつけますが、Yさん達はそれぞれ好きなゲームをしているようです。
本日「Destiny2」の開発アップデートが6月で終わる事を知り、思いがけず書かせていただきました。
今の自分がいるのは、Hさん達のおかげだと思っています。
あの時出会ってなくて、荒れたままの自分だったら……。
確実にゲームにも創作にもいなかったかもしれません。
きっと届く事はないだろうけど、Hさんに感謝の言葉を残しておきます。
Hさんへ
今の俺があるのはHさんのおかげっすよ。
会った頃は20だった俺も、今もう33ですよ。結婚出来ねーってネタにしてたTさんの歳に近くなっちゃいました。
結婚は俺も出来てねぇっす。
生きてんのか死んでんのかもわかんねーっすけど、Hさんは誰よりも地球を守るガーディアンでした。
色んな人がHさんを頼ってるとこを見て、こんな人になりたいと思いました。
家族以外でこんなにも世話になった人はHさんだけっすよ。
あなたがクランを作った時に書いたプロフィールの言葉は、俺の人生の指針になってますよ。
辛いときには誰かに頼り、頼られたときには助けてあげる。
寂しいときには聞いてもらい、聞かれたときには一生懸命応えてあげる。
人との縁(エニシ)を大切に!
Hさん、またどっかでゲームしましょう。
