なぜ「6174」にたどり着く?――カプレカ定数の謎
「6174」という数字。
一見すると、ただの4桁の数字です。
ところが、この数字にはちょっと不思議な性質があります。
4桁の数字を1つ選んで、決められた計算を繰り返すと、条件を満たす数字の多くが6174にたどり着く。
ちょっとした手品や話のネタに使えるこの不思議な性質を発見したのが、インドの数学者D・R・カプレカ(Dattatreya Ramchandra Kaprekar)です。
実際にやってみよう
例えば「3524」を選びます。
まず、4つの数字を大きい順と小さい順に並べます。
5432 − 2345 = 3087
次に「3087」で同じことをします。
8730 − 0378 = 8352
さらに続けます。
8532 − 2358 = 6174
なんと、6174が出てきました。
では、もう一度。
7641 − 1467 = 6174
また6174です。
さらに繰り返しても、
7641 − 1467 = 6174
ずっと6174から動きません。
これがカプレカ定数」6174です。
ここで小さな疑問
途中で「378」のように、3桁以下の数字が出てきたらどうするのでしょう?
答えは簡単。
4桁になるように、先頭に0をつけます。
例えば、
378 → 0378
です。
カプレカ計算では、最初から最後まで常に4桁として扱うのがポイントです。
どんな4桁でも6174になる?
ここが、この数字の面白いところです。
4桁すべてが同じ数字ではないという条件を満たす4桁の数字なら、この操作を繰り返すと、最終的に6174へ到達します。
しかも、最大でも7回で6174に到達します。
例えば「2014」なら、
4210 − 0124 = 4086
8640 − 0468 = 8172
8721 − 1278 = 7443
7443 − 3447 = 3996
9963 − 3699 = 6264
6642 − 2466 = 4176
7641 − 1467 = 6174
7回かかりました。
最初は「2014」。
そこから「4086」「8172」「7443」……と数字が変化していき、最後は6174。
別の数字から始めても、同じ場所にたどり着くのです。
まるで、数字が「6174」というゴールに吸い寄せられているように感じませんか?
ただし、例外もある
もちろん、本当に「どんな4桁でも」というわけではありません。
「1111」「2222」「3333」のように、4つの数字がすべて同じ場合は、
1111 − 1111 = 0000
となり、6174には到達しません。
つまり、
「4桁の数字で、少なくとも2種類の数字を含むこと」
が条件になります。
なぜ6174に集まるの?
実は、魔法でも偶然でもありません。
「数字を大きい順に並べる」
↓
「小さい順に並べる」
↓
「引き算する」
というルールそのものに、数字を特定のパターンへ近づける性質があります。
そして4桁の10進数では、その計算を繰り返した結果、6174が変化しない状態(固定点)になります。
実際、
7641 − 1467 = 6174
そして、
7641 − 1467 = 6174
なので、何度やっても6174です。
たった「並べ替えて引き算する」という簡単なルール。
それなのに、さまざまな数字が最終的に同じ数字へたどり着く。
これが、カプレカ定数の不思議さです。
まとめ
カプレカ定数「6174」の面白さは、
「違う数字からスタートしても、同じ6174にたどり着く」
というところにあります。
しかも必要なのは、紙とペンだけ。
今日、身の回りにある4桁の数字を一つ選んで、ぜひ試してみてください。
もしかすると、あなたの数字も「6174」にたどり着くかもしれません。
ちなみにカプレカ数は、
3桁:495
4桁:6174
5桁:なし(単一の固定点ではない)
6桁:549945
7桁:なし(単一の固定点ではない)
8桁:63317664
と、他の桁にも存在します。
※今回紹介した「6174」は、正確にはカプレカ定数(Kaprekar’s constant)と呼ばれます。「カプレカ数」という別の数学用語もあるため、区別が必要です。
