見出し画像

おすすめ絵本と、「絵本」という存在。


ちあきさんの企画。
『子育てポジティブキャンペーン』。


今回のテーマは「私のおすすめの絵本/好きな絵本」とのことで、絵本大好きなわたしも「ぜひ参加したい!」と思ったものの‥

__どれにしよう。
好きな絵本がたくさんありすぎて、絞れない。
迷っているうちに、参加が遅れたが、ようやくひとつに決めた。



それが、こちら。

『たれてる』。



たれてる。
めっちゃシンプルに、たれてる。
それだけの本。

とろーんって、たれてるチョコレート。
このあと、どうなる?


この本は、『大ピンチずかん』などで話題の、鈴木のりたけさんが描かれた絵本だ。

少し前に図書館で見つけた。
それ以来、何度借りたか分からないくらい、息子たちのお気に入り。

特に、3歳の次男(借りている頃は2歳だった)が大変気に入って、自分で音読できるくらい、繰り返し読んだ。

かわいいイラストと、声に出したくなる言葉。
そして、たれた結末は、どうなるのか。
5歳の長男も、毎度結末を見ては「うふ」と含み笑いをする。
どんな年齢の子も楽しめる、癒しの一冊ではないだろうか。



そういえば先日、次男は人生で初めてのソフトクリームを食べた。
そのソフトクリームが、あっという間に溶けだして、コーンに流れ出してきたので、おもわず「たれてる!」と叫ぶ。

すると、次男がニンマリと、
「あー もう たれてる たれてる」。


絵本の中に出てくるフレーズを、嬉しそうに口にしたのだ。
「たれてる」が言えなくて、「たべてる たべてる」になってしまって、それを聞いた長男が「食べてるじゃないよ、た・れ・て・る!」とツッコんでいたのも、微笑ましかった。

そんな感じの一冊である。


ただ「たれてる」だけの内容なので、「意味の深さ」とか「感動」とか、そういうのを求めている人には向いていないかもしれない。

でも、あえてその「意味のなさ」や「ゆるさ」を、子どもといっしょに楽しんでみるのは、いかがだろう。





少し話が脱線するけど。
子どもが生まれたばかりの頃、「意味のない系の絵本」が苦手だった。

たとえば、『ころ ころ ころ』とか。


あとは、『もい もい』とか。


赤ちゃんの絵本なのだから、深い意味なんてなくて当然だ。

でも、ストーリーもなければ、オチもない。
わたしの考える「絵本」よりも、はるかに言葉が少なくて、「これ、どうしてやったらいいの?」と、読むのに躊躇するほどだった。

でも、そんな意味のない絵本が、子どもたちは大好きだ。

『ころ ころ ころ』も『もいもい』も、今でも現役で息子たちの絵本棚に置かれている。
3歳の次男は、自分でそれらをひらいて、「いろだま ころころ」と読む。
そして、笑う。


絵本に、意味なんかいらないのかもしれない。
いや、正確には、作り手はかなり深い意味を込めて、くふうをこらして、つくってくださっていると思うのだけど。

親が、絵本になにかを求める必要はないのだ。
絵本を通して、子どもに何かを覚えさせようとか、教えようとか、感じさせようとか。
そんなふうに思わなくていいんだおもう。


このことについては、『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』という本で、大川繁子さんが語られていた話が、ずっと心にのこっている。

「教育にいい絵本」なんて都合のいいものはありません。
いつも言っているのが、「絵本にしつけをさせよう、あわよくば勉強の足しにしよう、なんて思わないでね」。
…ちょっとギクリとしませんか?
絵本とはあくまで、親子で「楽しむもの」です。
(略)
だから絵本を閉じたら、「おしまい。ああー、おもしろかった」。読みっぱなしでいいのです。

同書、p.170,171


これを読んでからは、意味のないような絵本も、ストーリーもオチのない絵本も、ずっと気楽に楽しめるようになった。

『ころ ころ ころ』も『もいもい』も、なんか絵がいい、音が楽しい。
それだけで、息子たちは何度でも「もう一回」と言ってくれる。

絵本は、そんな存在であってほしい。
ただ、楽しい、おもしろいだけの存在。


冒頭で紹介した『たれてる』は、まさに「ただ楽しいだけ」の絵本だ。
ぜひ親子で、「なんか意味わからへんけど、おもろいな」と言い合いながら、読んでほしい。


いいなと思ったら応援しよう!