妄想はタダ。カフェオーナーをステージへ。
行きつけのカフェのオーナーに、絶対に欠かせない「十八番(おはこ)」のカラオケソングがあることを知ってしまった。
「へぇー。そうなんだ」
平静を装って頷いた瞬間、私の頭の中で怪しい野望がムクムクと膨らみ始めた。
「こっそりギターを練習して、私の伴奏でオーナーに歌ってもらおう」
弾き語りすらしたことがない私の、壮大な妄想の幕開けである。
さっそくAIに「カフェで歌うにはどうしたらいい?」とすがる思いで相談してみた。
すると、AIから返ってきたのは、まさかのノリノリ企画。
【AIのおすすめ】
カフェの片隅で「投げ銭ミニライブ」!
演奏時間:20〜30分
構成イメージは、
1曲目:聞き馴染みのある明るい曲
2曲目:少しゆったりした曲
3〜4曲目:メインの得意曲
5曲目:締めくくりの曲(アンコール用)
ほうほう。
なるほどね。
私の脳内セットリスト構築が、光の速さで加速した。
1曲目: 聞き馴染みのある曲か……うん、アレだな。
2曲目: ちょっとゆったりした曲。ふむ、あの曲しかないな。
3〜4曲目: メインの得意曲。あるにはあるけど……え、本当に弾いちゃっていいのかな?
(ニヤニヤ)
5曲目: 締めくくりと言ったら、もうあの曲か、あの曲でしょう。
アンコール対策も完璧にしておこう。
……と、ギターで誰かの伴奏をしたこともなければ、まともに弾き語ったことすらない人間が、ノリノリで考え始めた。
妄想の中の私は、すでに武道館を埋めるレベルのギタリストである。
(現実:まだコードすら指に馴染んでいない)
そして、セットリスト(妄想)が決まったところで、何はともあれオーナーの十八番を攻略しなければならない。
曲名は……
「キン肉マン Go Fight!」
まずは、この曲を完璧に弾きこなさなければ。
そうでなければ、すべては絵に描いた餅。
ちなみに、この「まだ開催すら決まっていない」投げ銭ライブで、もし温かいチップが集まったら、使い道はもう決めている。
カフェの食洗機を購入する。
もしくは、あの狭いシンクを変える。
オーナー、準備はいいですか。
あなたの十八番と、お店のキッチン環境の未来は、私のこれからのギター練習にかかっています。
……って、まずはコードを覚えるところからだったわ。
ご覧くださりありがとうございました。
