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助っ人のつもりが、遊園地を作っていた

子どもが中学生の頃。
学校の課題で「創作研究」という宿題が出た。

子どもは、アイスの棒で何かを作ると決めた。

私は、「今からアイスを食べて、棒は足りるのだろうか?」と心配していた。

でも今は便利な時代。

100均に行けば「木製スティック」として普通に売っている。

もう、アイスを何十本も食べる必要はない。

YouTubeで作り方を見ながら、「これなら何とかできそう。」と言っていたので、

私はグルーガン、カッター、定規などを準備して、作業環境だけ整えた。

あとは本人が頑張るだけ。

……の、はずだった。

提出期限は決まっている。

見守っていたけれど、夜12時を過ぎても作業は終わる気配がない。

「同じ長さに切るだけなら。」

「穴を開けるだけなら。」

そんな軽い気持ちで、単純作業だけ手伝うことにした。

これが、すべての始まりだった。

助っ人を得た子どもが突然言った。

「遊園地を作りたい。」

……え?

今から?

深夜1時ですけど?

まだ観覧車も完成してないけれども?

提出まであと2日ですよ?

遊園地って、
ジェットコースター。
メリーゴーランド。
バイキング。
回転ブランコ。

あの遊園地ですよね?

しかも材料は?

「あるもので。」

その一言で始まった。

私は眠い。

子どもを早く寝かせたい。

「で、ジェットコースター作るの?」

「んー、わからない。」

わからないんかい。

そこから先は、もうあんまり覚えてない。

気づいたら私は、メリーゴーランドの回し方を本気で考えていた。

子どもは子どもで、別のやり方を考えている。

「こっちの方がよくない?」

「いや、これじゃ回らないって。」

親子で回転のことを真夜中2時に真剣に話し合う。

私はケーキの回転台からヒントを得て、「これなら回る」と確信していたので、ゆずらなかった。

「これなら絶対回るって!」

なんとか子どもを納得させた。

回転ブランコの方は、屋根ごと回す仕組みとなり、意見がまとまった。

そして提出日当日。

早朝3時。

最後の最後で親子ゲンカが始まる。

発端は、バイキングの船。

子どもは、時間がかかる作り方にこだわる。

私は、
「時間ないし、簡単に作ろうよ!」

すると子どもがひと言。

「じゃあ、バイキングいらない。」

……え。

なぜかバイキング担当の私は、ショックを受ける。

「乗り物はたくさんあった方が遊園地っぽいじゃん!」

必死に説得する母。

……これ、誰の課題だっけ。

そして早朝4時。

ついに遊園地が完成した。

学校では資料をパワポでまとめて、制作理由や工程やまとめをして発表したらしい。

なんとか期限には間に合った。

でも、今でも思う。

あれって、ほんとに子どもの工作だったのかな。

それとも、 締切に追われた母が、真夜中に遊園地を建設した記録だったのかな。

ご覧くださりありがとうございました。



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