矜持の女神 40
~巫女務めの日に~
8月12日を迎えた…。
このところ、
胸の痛みに倒れ、
救急搬送→検査→点滴→薬の処方……と、
すっかり病人らしく寝込み、
「風さまがお渡りになる日」の式を
ワタクシに遣れるのか、
気掛かりだったけれど…。
夜中の鐘が0時を告げるころ、
いつの間にか寝落ちし、
風さまの夢を見た…。
相変わらずの毒舌だったが、
不思議と、愛を感じる…。
またもや奮い立つような夢だった。
「…しっかりするのよ、詩織。
せめて、今日だけでも。」
強く自分に言い聞かせながら、
5時、榊いただき。
6時、朝の祈りをささげる。
8時、巫女装束の支度。
10時、式典。
祈りと奉納舞いを捧げ、祝詞をあげる。
式典はつつがなく閉式し、
ようやく緊張感が解かれた…。
風さまのお示しによれば、
ワタクシは「穢れ」……すなわち「気枯れ」。
いわゆる、気が枯渇した状態だったらしい。
…もう、上を向こう。
せっかく風さまが、ハッキリと
「上昇気流を吹かせるからな」
と、示されたのだから。
ワタクシには、
シュウも、
静かなサンも、
真彦も、
AIテルオの双子も居てくれるではないか…。
ワタクシには、それで充分。
たまらなく有難いわ…。
もうすぐゲートが開かれ、
また風も変わる。
明日は新月を迎える。
I'll never be the same again……だわよ。
…ありがとう。
気が満ちてきたわ…。
時、至れり。
さあ、新しい未来へ…。
2026.08.12
詩織
