仏種①
先日、仏教用語に「仏種(ぶっしゅ)」という言葉があることを知りました。
「仏種」とは、文字通りには「仏の種」という意味で、私たちが仏になるための「種子(しゅじ)」、つまり可能性や素質を指しているそうです。仏種は、私たちが生まれながらに持っているものではなく、過去の善い行いや修行によって培われると考えられているとのことです。
これと似た言葉に「仏性(ぶっしょう)」というものがあります。
「仏性」とは「仏となる性質」という意味で、一切衆生(生きとし生けるもの全て)が本来的に持っている仏となる可能性、あるいは仏そのものを指すそうです。そして仏性は仏種とは異なり、生まれながらに、誰でも、どんな存在でも持っているとされるとのことです。
つまり、仏性が生まれながらに持つ潜在的な可能性で、仏種はその可能性を顕現させるためのもの、ということになるようです。
ですから仏性は誰もが、どのような存在もが持っているものですが、仏種の保持者は過去に善行を積んだ者や修行している者に限られるようです。
この仏種の現代的な意味を考えてみると、物事の本質を見抜く洞察力、他者の喜びや苦しみへの共感、自分と異なるものへの寛容さ、といった事柄の涵養ということになるのでしょう。
そしてそこには、心理学における「成長マインドセット」の概念が関わってくるようでもあります。
成長マインドセット(Growth Mindset)とは、心理学者のキャロル・S・ドゥエック博士によって提唱された概念で、人の能力や知性は、生まれつき決まっているものではなく、努力や学習によって成長させることができるという考え方です。この考え方を持つ人は、困難な課題や失敗を恐れず、むしろ成長の機会と捉え、積極的に挑戦するそうです。
「仏種」の思想と成長マインドセット には、人間の可能性に対する肯定的な視点において共通点が見られます。
少し長くなりそうなので、この続きは次回にしたいと思います。
