呼吸をするのと同じように本を読む〜わたしの本棚〜
わたしの本棚は、まず、最大限に敬愛してやまないバールーフ・デ・スピノザに関する著作で埋め尽くされている。
岩波書店から出ている畠中尚志訳のスピノザ自身のテクストはもちろん、スピノザに関連する著作をひたすら積読し、順番に読むということを長らく継続している。読むスピードよりも購入のスピードの方がはやくなってしまい、果たして生きている間に読み切れるのだろうかと、最近少し不安になってきているが。。。

わたしがなぜここまでしてスピノザという一人の思想家に熱を入れるかの理由はまたどこかで文章にしたいが、ひとまず。
わたしが勝手に定義するスピノザ関連の著作とは、以下のようなものだ。
①スピノザ自身のテクスト
②スピノザを主題とした研究書
(例:『スピノザ『神学政治論』を読む』)
③他の主題でも、スピノザを章立てして扱う書
(例:『自由論の系譜 政治哲学における自由の概念』)
④他の哲学者の研究書でスピノザに言及があるもの
(例:『ライプニッツのモナド論とその射程』)
⑤哲学者の中でスピノザに対する言及があるもの
(例:『哲学とは何か』(ジル・ドゥルーズ))
⑥文学者の中でスピノザに影響を受けている作家の著作
(例:ブヴァールとペキュシェ(フローベール))
⑦その他の領域でスピノザに影響を受けている人物の著作
(例:アインシュタイン物理学と形而上学)
⑧スピノザ協会会報誌『スピノザーナ』および、『思想』『現代思想』『唯物論研究』などにおけるスピノザ特集、スピノザを扱った論文が掲載されているもの
当然、日本語の関連本だけでも相当な数があるわけで、英語やフランス語イタリア語などの海外ものは、手を出していない。しかし、スピノザ研究者が翻訳の際に底本として扱う、ラテン語による全集『Spinoza Opera(ゲプハルト版)』だけはどうしても手に入れたくて、大山堂書店で70,000円という高額(わたしにとって)で購入してしまった。
ラテン語読めないのにも関わらず・・・ここまでくると、ただの「癖」ともいえる。

もちろん岩波書店から刊行開始された
日本語版の新訳全集も今後が楽しみだ
とまあ、スピノザ関連だけで部屋の本棚は埋め尽くされつつあり、もちろん本格的な読書歴は、約30年くらいになるので、その間に読んでいる、学術系の本、岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫なども、一定量でスペースを埋めている。学術関連は、哲学、歴史、科学、政治、宗教、社会学といったものがほとんどだ。

さまざまな出版社から出ている新書関連の本は、本棚におさまらないので、段ボールや収納BOXの中に入れて、ベッドの下やクローゼットに押し込んでいる。とにかく部屋が狭い・・・。
そこまでして本を貯めておくのには理由がある。
嫁からは「売る」か「捨てる」かを口すっぱく言われるのだが(笑)、以前、わたしは大量の小説や新書などの本の一部を、ブックオフで売りに出してしまったことがあり、その時にものすごく後悔をした苦い体験があったのだ。
本を手放すということは、自分の魂を、これまで本と共にしていた体験を売り払ってしまったような気がし、ものすごく哀しい気分になってしまったのだ。以来、本はどんなに大量に貯まっても、売ることも捨てることもしないと心に誓っている。

わたしの関心は、哲学を中心とした学術だけではない。むしろ、読書歴としては文学の方が長く、とりわけ19歳、大学1年生の時に出会った、日本文学の最後の巨匠ともいわれる中上健次には、とてつもない衝撃を受け、そこからわたしの本格的な読書への没入、文学への偏愛が始まった。

大学生の時、アルバイトで必死に貯めたお金で
池袋のジュンク堂書店で1冊ずつ買い揃えた
中上健次への熱狂は、日本文学全体へと広がり、そこで、谷崎潤一郎、坂口安吾、武田泰淳、大江健三郎、古井由吉へとのめり込むことになる。
さらに中上健次への愛から派生し、
⑴ウィリアム・フォクナー、ガルシア・マルケスなど世界文学を読むようになり
⑵中上健次の盟友であり、日本文芸批評のカリスマ的存在であった柄谷行人、蓮見重彦などを読むようになり
⑶柄谷行人からは、哲学や現代思想への関心に広がり、スピノザやカント、マルクスに出会い、蓮見重彦からは、映画への偏愛へと至り、ジャン・リュック・ゴダールやクリントイーストウッドの映画を見る日々を送るようになる
といった変遷で、小説、批評、哲学・思想、映画、歴史とさまざまな領域への関心を行き来することになる。
ちなみに、現在は、「数の読書」というものを意識していて、仕事は激務で忙しいのだが、毎日の読書は欠かさず、かつ年間に読む本の目標数を定めて、読書を遂行している。
2023年の読書記録は107冊で、設定している「年間100冊の読書」のノルマはクリアした。
毎月平均9冊を読むことで設定しているが、内訳は以下の通りにだいたい定めている。にも沿ってできた。
・日本文学の最前線作家、世界文学の古典、新人賞受賞作家の小説→5冊
・日本史、国際情勢、科学、政治学、スピノザを中心とした哲学関連→4冊
月に読む9冊の本は、前月に必ずAmazonで買い揃え、購入→読書のサイクルを延々と繰り返している。

以上が、わたしの本棚および読書体験のごく一部の紹介となる。
最後に、わたしにとっての読書とは、「世界」を知りたいという探求心、知的欲求を、最大限に満たしてくれる手段のひとつである、ということだ。
世界について知るためには、もちろん、旅をすることやニュースを見ること、ドキュメンタリー映画などの映像を見ること、ネットで検索するなどさまざまにあるが、わたしは活字を読むということにこだわっていたいし、おそらく死ぬまでそこにこだわり続けるのだと思う。
わたしにとって、本を読むことは、呼吸をしながら生きるのと同じ程度に、わたしが生きていくうえでの大前提の習慣となっている。この先もずっと、呼吸をするように本を読みたい、そう考えている。
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書評なんかも書き始めましたので、興味のある方はぜひ、お読みいただけると幸いです。
20年くらい前に書いていた小説なども掲載してみたりしています
