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sado_nsg
毎週ショートショートnote / 合格奇岩
人里離れた海岸に、長い歳月に削られた「可」の字に似た奇岩がある。
その上に立ち、両手足を広げて大の字になれば「奇」という字が完成する。一分間、誰にも見られず念じれば願いが成就する。
「奇岩」を「祈願」にかけた言い伝えだ。
辿り着けるのは選ばれし者のみ。
青年は磁場に狂う羅針盤を手に、ついにその岩を見つけた。
誰にも告げず、人目に触れず、孤独な儀式に挑む。
荒れ狂う潮騒の中、彼は不動の「奇」を保ち続けた。
一分。
成功だ。彼は全能感に震えた。
だが、村の山頂には見張り台があった。
「合格だ」
望遠鏡を覗く村人が呟く。この村が数百年間災害知らずで、住民税も医療費も無料なほど豊かなのは、この「奇」を成した者を神への供物として捧げてきたからだ。
帰り道、青年は待ち伏せていた村人たちに捕らえられた。
抵抗も虚しく、彼は生きたまま村の土に埋められる。
彼の肉体を苗床に、翌月には万病に効く黄金の薬草が芽吹く。
それは小さな村の財政を十分に潤した。
「これで、またしばらくは安泰だ」
穏やかな集落の地下で、絶望した「合格者」たちが、
今日も村の繁栄を根底から支えている。
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こちらの企画に参加させていただきました。
閉塞した村の風習ものって、怖いですよね。
受験生の皆様、最後の追い込み頑張ってください!
くれぐれもこの村には訪れないようお気をつけ下さいませ🌱
最後までお読み下さりありがとうございました😊🐧
田原にかさん、宜しくお願いいたします。
