<教材研究>夢十夜_作品背景
◎基本事項
著者:夏目漱石
発表年:1908年(明治41年)
掲載:『新小説』
◎作品の形式的特徴
全十編から成る短編連作。
すべてが「夢」の形式をとる。
時代・場所・人物設定は一定せず、歴史的・神話的要素を含む。
◎1908年前後社会との構造的対応
① 国家秩序と個人の断絶
直接的な政治描写を避けつつ、個人が外部秩序に回収されない内面世界とすることで赤旗事件に象徴される思想統制から内面空間への退避を図る。
② 歴史時間の断裂
夢の中で古代・中世・近代の混在により連続的歴史観を崩す構造は
近代史観によって歴史の連続性を解体した時間構成の模倣である。
③ 主人公(知識人層)の精神構造
官僚・高学歴層に特徴的な「判断はするが行動しない」構造の反映として、主人公は観察者的立場 or 行動しない主体 という共通構造を持つ。
④ 生・死・罪責の反復
処刑・殺害・自己犠牲・裏切りなどの反復によって 司法・警察権力の強化と、死刑・処罰の倫理責任を文学的主題として内面化。
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