【100字でBL】ホラー系8作
とうとう六回目の100字でBL参加ですよー。
七夕だけど六回目、お題はこちらの豪華8作で参ります。
雨上がり、校庭の隅に片方だけ落ちていた靴
鍵はポストに入れておきます、という手紙と、空の部屋
ベッドの下から、違う呼吸音が聞こえた
毎晩、日記の内容が書き換えられている
鏡のなかの自分が、瞬きのタイミングで笑った気がした
死んだはずの人から、LINEが来た
窓際の席は、いつも誰かの匂いがした
「ここに、もうひとりいたはずなんです」
【登場人物】
上総直行:モテたい努力が空回ってる系男子
佐原歩:頭の良い馬鹿。お化けに強い系男子←new
↓こちらの『傘が1本しかなかった』の二人でお送りします。
ギャグ担当だと思った? 残念、ホラーだよ!
ホラー……ホラークラッシュ……? あれ、やっぱりギャグ……?
雨上がり、校庭の隅に片方だけ落ちていた靴
「いやなんで拾ってきた?」
「落とした子困ってそうだなって」
純粋な優しさか下心か、おそらく両方な所がこいつの駄目な所だと思う。
「お前のシンデレラはここにいますけど」
「ナイキ履いてるシンデレラは嫌だなぁ」
鍵はポストに入れておきます、という手紙と、空の部屋
手紙を受け取り、気付けば知らない部屋にいた。
「これは噂のエロい事しないと出られない部屋!?」
「だったらベッドくらい寄越せよ」
「やだ生々しい!」
「いっそ押し倒してやろうか?」
背後で黄色い悲鳴が上がった。
ベッドの下から、違う呼吸音が聞こえた
ギシリとベッドが軋む。
どうして押し倒す側がそんなに照れた顔してるんだか。
そっと頭を撫でてやれば、途端に聞こえる第三の呼吸音。
「……やっぱり憑いて来てるよね」
「来てるな」
泣くな退け、俺に露出趣味はない。
毎晩、日記の内容が書き換えられている
あまりに改変甚だしくてムカつくから『恋する男の日記』としてSNSに公開してやった。書籍化の打診が来た。
「勝手に人をヤンデレ化すんじゃねぇ。二次創作で独自解釈が暴走するタイプのオタクか」
「止めたげてよ」
鏡のなかの自分が、瞬きのタイミングで笑った気がした
「気がしたから、変顔レパートリー増やそうかな」
「失笑されるのが落ちだろ」
そんな会話を映した鏡が、明らかに自分じゃなく隣をガン見していたので、叩き割ってやろうかと思った。
「俺はそんな露骨な事しないが?」
死んだはずの人から、LINEが来た
佐原歩は激怒した。必ずかの悪霊を塵も残さず消し飛ばすと決意した。
「俺が、あいつがどれだけ……。せめてもっと早く寄越せ」
後に成りすましだと発覚し、素粒子レベルで滅した。末代先も許さない。否、お前が末代。
窓際の席は、いつも誰かの匂いがした
懐かしくて。思い出せなくて、悲しくて。
「誰だったのかな」
「誰でもないだろ」
誰でもない、誰かだった人。
「もしかしたら俺がそっちだったかもな」
ごめんね、と優しい腕の中で笑う。もう譲ってやれない、俺の場所。
「ここに、もうひとりいたはずなんです」
「凄い、半分正解」
君が選択肢Bを選んだ先にいる奴だよ、と選択肢Aを選んだ男が笑う。
「会えたら伝えてよセンセ、ようやく俺にもモテ期来たぜって」
相手は佐原限定なんだけどね、と恋愛ルートの主人公は微笑んだ。
【おまけ、ちょっぴり解説】
最後の二本は上総視点。
センセ=作者。
佐原達のお話は元々は“モテない男子達がわちゃわちゃしてるコメディもの”として書かれました。1作目ではトリオ、2作目では後輩も登場します。
あちらでは大学生設定なので、未来かもしれないし、ルート分岐が違う方に進んだ世界線かもしれない。
