【狐火バーベキュー】ヨーコさんの言うことにゃ
「狐火って熱いの?」
ヨーコさんご自慢モフモフな白銀の尾にじゃれつきながら、三毛が問う。
妖ばかりが集う三途のお宿の中でも二匹は仲が良い。又割れ同士だからか、と若干失礼な感想を抱いた牛鬼の番頭の目前を、青白い炎が横切る。
「この炎は概念みたいなもんやから。妾次第さァ」
「じゃあお魚も焼ける?」
「勿論。牛鍋やって一頭丸ごと行けるで」
いくつもの炎をお手玉のように放り投げる手は白く、ニコニコ微笑う顔は美しい。
「そういえば気になっていたのだが」
話題を変えようとするかのように番頭が問う。
「現世で起こる原因不明の火災、今では電化製品の不調か放火が殆どだが、昔は狐火の割合も多かっただろう」
「昔程人間にちょっかいかけ辛ぅなったせいもありますが、古いおなごは情熱的な性が多かったんやろねぇ」
かつては国一つを傾ける事すらあった恋多き一族。良くも悪くも時代はコスパ重視に進んでいる。
「全てを焼き尽くす恋なんて、今の狐には流行らないんやろなぁ」
こちら参加させて頂きました。(本文410字)
ヨーコさん、恋はスパイスっていうタイプ。
