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yasuu_kusayan
【曼珠沙華は恋をする】恋は執着
「彼岸花って呼び方は好きじゃないかな」
父の十三回忌の為帰省した折のこと。
ローカル線の線路沿いの盛り土に、溢れかえる程の彼岸花が群生する時期だ。
「そもそも日本人って牡丹が咲いてる時期に食べるからぼた餅とか、安直なの多いじゃない」
駅まで車で迎えに来てくれた兄が言う。文筆業で生計を立てている兄は、言葉の扱いには少し五月蝿い。
「その点曼珠沙華って名前は良いね。天上に咲く花だよ。仏教の経典だとおめでたい事が起こる前兆だって言われる縁起の良い花だよ」
「地獄花とか幽霊花って別名もあるよね」
「昔は墓場や畑によく植えられてたから、そのイメージかな。全体に毒があるから、ネズミやモグラ避けにしてたみたい」
昔は土葬か、とぼんやり思う。死者に寄り添う哀悼の花、といった所か。
「そりゃあ縁起悪いってなるわ」
「えぇ~」
「だって仏教じゃ恋や未練は執着って扱いでしょ?」
曼珠沙華の恋は罪深き恋なのだ。
「未練も執着も、焼き尽くしちゃえば良いのにね」
こちら参加させて頂きました。(本文410字)
なんだかポエミーな仕上がりになってもうた……
