Photo by
voice_miwa0401
【せりふ三題噺】追いかけっこも程々に #「待っててね」
■セリフ
「待っててね」
■三題
・アップグレード
・名札
・夜桜
「どこ行った、あいつ」
近所の公園、いつものスーパー、よく行く古着屋、駅前の生花店、そして馴染みの喫茶店。
次々送られてくる添付写真を頼りに追いかけっこは続く。近隣マップのアップグレードでもしてるのか、あいつは。
タイムリミットだと告げられた夕暮れを過ぎたら、どうなるのか。自然と深まる眉間のシワを揉みほぐしていると、また着信音が鳴った。
『ここで、待っててね』
「スタート地点に戻ってんじゃないよ!」
写真から近所の公園にある桜の大木にあたりを付けて、もと来た道を引き返す。
夕暮れなんてとっくに過ぎて、夜桜の白い花びらが夜空に舞い上がる頃。ようやく着いたその先で、ニマニマ笑うチェシャ猫のような人影。
「もう、何がしたいのさ」
「ふふふ」
まだ花見客も多い宵の口。
すぐ隣まで歩いてきた彼女が、上目使いに笑いかけてくる。
「あのね、私今、名札をアップグレードしているの」
「名札?」
「お気に入りのお店とか、最推しの店員さんとか、ラベルって言った方がわかりやすいかな」
それでね、と笑う彼女の頭には、花弁がちらほら。
「あなたはなんて関係が良い?」
以上、495字。こちら参加させて頂きました。
これ↓が続きました。
