Photo by
buncyo_mofumofu
【せりふ三題噺】不謹慎な乙女心 #「おめでとう!」
■セリフ
「おめでとう!」
■三題
・いちご
・パジャマ
・文鳥
「文鳥っていちご食べるっけ?」
昼過ぎになってもパジャマ姿の姉が、リビングのソファでスマホ片手に話している。
会話の相手は、旧友のかすみさんだろうか。いかにもお嬢様って感じの、飼っている文鳥にソウセキなんて名付けてる、ちょっと変な人。
「ああそっか、七回忌。おめでとう!」
「何もおめでたくねぇわ」
聞こえてきた台詞につい突っ込んでしまったが、これは仕方ないだろう。
盗み聞きのような真似をしてしまったが、姉も不謹慎な発言だと分かっているらしい。苦笑を返すだけで拳も足も飛んでこない。
スマホの向こうにか、愚弟と呼んで憚らない俺に対してか、姉の少し低い声が柔らかく言葉を返す。
「七回忌迎えても変わらず愛してるなんて、一途な乙女心が証明されたじゃない」
以上、318字。こちら参加させて頂きました。
夏目漱石先生の作品は、教科書で読んだ『夢十夜』が初めてで、その次が『文鳥』でした。
