読後感の苦さは早くも今年イチかもしれない。生田斗真くん主演映画版の結末がきになる『渇水』
今日読んだ本。
2026年苦い読後感ランキング1位はこの小説で決定かも。
たった160ページの短編集だというのに、『コインロッカー・ベイビーズ』よりも『日本沈没』よりも平山夢明作品よりもハードな作品だった。どっと疲れた。
河林満『渇水』
元オスカープロモーション所属のお笑い芸人さんがInstagramで紹介していた本だ。
かねてからユニークな切り口のレビュー投稿を愛読していたが、その中でひときわ光っていたのがこの作品。読みたくなる。
最寄りの図書館には置いてなかった。例の古本屋にもなかった。
これは新本を買うしかないと覚悟したタイミングで例の古本屋から入荷通知。『夫のちんぽが入らない』と同時購入したのが去年の10月。
そして積んだきり忘れる。
ここ最近、積読本の山を見た目だけでも小さくしようと長尺本ばかり読んでいたが、いい加減疲れてしまった。
薄い本を探して積読本の中から発掘したのがこの本だった。
【装丁について】
水色を基調とした涼しげなデザインの表紙、勤め人らしき男2人の後ろ姿。
特に胸糞要素は見当たらない。
爽やかな色合いの表紙に油断してしまった。
前述の通り160ページの薄い短編集。これはイージーモードだと思った。
何気なくカバーを外すと、初期の角川文庫の表紙が出てきた。おや懐かしい。
現行のオレンジ色の表紙はあまり好みではないのだ。復刻版の表紙かと思い嬉しくなった。
上機嫌で本を開き、目次を見る。
3篇からなる短編集、1篇平均50ページ。短い小説は大好物だ。テンションも上がる。
上がったものはいつかは下がる。高く上がれば上がるほど落差も大きい。
今にして思えば、自らフラグ立てまくりだったのかもしれない。
【内容について】
表題作『渇水』は水道局に勤めていたことがある筆者が、その体験をもとに書いた小説だ。
主人公は水道局の職員。停水執行業務に携わっている。
停水とは水道料金を滞納した世帯の水道を停めることだ。
冒頭で停水処分に出向いた家には大人は不在、
父親は失踪、母親はいつ帰るかわからない。留守宅には小学生の姉妹だけがいた。
主人公は水を止める前に、浴槽や洗面器に水を溜めておくよう姉妹に助言する。
その家の水槽には金魚が泳いでいる。そこにも新しい水を注いでやる姉妹。
ここまでが導入部。
水道料金を滞納した市民宅を訪問しては恨まれなじられるなど、陰鬱な日々が数日間続く。
ある日外回りから帰ると、主人公あてに警察が来ているとのこと。話を聞きたいとのことだ。
そして知らされる事実。うわ、読まなきゃよかった。
【読後感。】
この作品、どこかで目にしても読まない方がいいと思う。
小説としては素晴らしく出来が良い、表題作以外の短編も見事な出来だ。
Amazonの口コミも覗いてみたが、案の定賛否両論。どちらかというと「否」多め。
ただし、内容について否定的なコメントは多いものの、文学作品としての評価は高い。ぼくもそう思った。
小説はしょせんフィクション。作り話だ。作り話は荒唐無稽な方が面白いに決まってる。
だけどこれは。。。というのが正直な感想だ。
衝撃を受けたという意味では、ハイレベルな読書体験だったと思う。
1990年に発表された作品で、そのころはバブルがはじける前の景気が良かった時代だ。
好景気に浮かれた世相に冷や水を浴びせる意味では、爪痕を遺した作品かもしれない。
1950年生まれの筆者は2008年にこの世を去っている。
亡くなったのが57歳、今のぼくと同じ年なことに寒気を感じた。
どっと疲れた。こんなに薄い本なのに。
次こそは軽い本を読むぞう。
【余談】
2023年に実写映画化されている、主演は生田斗真。イケメンだ。
結末は原作と全く異なるらしい。不幸な姉妹はいないのか。よかった。
だからといって観たいとは思わんが。
過去のレビューは
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@daddy_of_j_book_reviews
【超テキトーレビューの能書き】
※あくまでも個人的な感想です。
※感想といっても熟考はしておりません。脊髄反射に近い生体反応です。
※できるだけ好き嫌いを表に出すように心がけております。
#渇水 #河林満
