「想定外」は、本当に想定外だったのか
人が育つ会社を、次の常識にしたい。下原潤です。
「想定外でした」
何か問題が起きたとき、この言葉を耳にすることがあります。
そもそも、想定外とは何でしょうか。
予測していなかったこと。
事前に考えていなかったこと。
予防や対策を準備していなかったこと。
確かに、どれだけ考えても予測できない出来事はあります。
しかし、現代では本当に「想定外の出来事」が、それほど頻繁に起きているのでしょうか。
意外と、そうでもないように思います。
当事者にとっては想定外でも、周りから見れば「起こる可能性はあった」と感じることがたくさんあります。
経営には「リスク管理」という考え方があります。
起こり得る問題を事前に考え、会社への影響を小さくするために備えておく。
しかし、リスク管理をしているつもりでも、考える範囲に入っていなかったことは、すべて「想定外」になってしまいます。
私は、組織や人に関する仕組みを提供しています。
その立場から見ると、多くの中小企業で想定外とされているのが、
「社員が突然辞めること」です。
経営者にとっては、本当に思いもよらない出来事なのかもしれません。
ただ、人が辞める可能性まで想定しておかなければ、退職者が出た瞬間に会社が機能しなくなることがあります。
もしかすると、経営者も心のどこかでは可能性に気づいている。
それでも、
「今は大丈夫だろう」
「考えても仕方がない」
「対策には費用がかかる」
そう考え、目をつぶっていることもあるのではないでしょうか。
しかし、想定しなければ、対策も予防もできません。
もちろん、事前に仕組みを整えるためには、時間も費用もかかります。
それでも、問題が起きてから対応する費用は、事前に備える費用の倍、10倍、それ以上になることもあります。
採用費用だけではありません。
引き継ぎができない。
現場の負担が増える。
残った社員が疲弊する。
サービスや仕事の質が落ちる。
さらに退職者が出る。
一人の退職が、会社全体に影響を与えることもあります。
問題が起こってから「想定外だった」と言うだけでは、会社も社員も守れません。
想定外という言葉が、責任を回避するための言葉になってはいけないと思います。
すべてを予測することはできません。
それでも、起こる可能性を考え、予防し、起きたときに動ける環境を整えることはできます。
中小企業にも、リスク管理や予防という考え方が定着する。
そして、問題を恐れて立ち止まるのではなく、備えがあるからこそ、未来へ自信を持って踏み出せる。
そんな会社を増やしていきたい。
そう感じています。
