「午尻下がり」の相場格言ってサステナブルですか?~わこさんのワイン片手の経済視点~
(第六十四回)2026年は十二支vsトランプ大統領の異種格闘技?そしてさらにアレが上がると?
前回はミシュランガイドのワイン生産者評価参入のお話
前回は、ミシュランガイドがワイン生産者評価に参入するというプレスリリースをネタに、ワインツーリズムとの関係や、よくわからない評価方法などについての愚考を並べ立てさせてもらいました。プレスリリースにあった、「アルコールの過剰摂取は健康に危険です。適量をお楽しみください。」という言葉だけは間違いないと思います。
久々に「じゃない方」のわこさんです
さて、さすがに「じゃない方」のわこさんが出たがってうずうずしてるので、今回は2026年の株式相場を考えてみようかと思います。
干支にちなんだ相場格言では「午尻下がり」
日本の株式相場に、「子は繁栄、丑つまづき、寅千里を走る、卯跳ねる、辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑う、亥固まる」という、十二支を踏まえた格言が伝わっています。年末年始になると、こういう格言を持ち出して「来年の株式市場を占いましょう」、などという言説がはびこります。
脱線:相場見通しは「占い」か?
いきなり脱線しますが、昔々机を並べていた先輩のエコノミストに、「経済見通しや相場見通しは『占い』じゃない!!」と怒られたことがあります。過去に起きたことの経験則を踏まえるという意味では近いものがありますが、見通しには理屈が必要でそれに基づいて生起確率の高そうなシナリオを描いていくわけです(占いの実際はよくわかりませんが、ロジックは弱そうですよね)。そうした意味では、この干支縁起にロジックがあるのかどうかを考える必要はあります。
ちなみにこの先輩エコノミスト、昼間は超絶優秀で、私も様々なことを教わりましたが、日が暮れて般若湯をお召しになると大変身され、女性に異常接近してご本人は冤罪だとおっしゃっている事件に巻き込まれてしまいました。アルコールの過剰摂取はやっぱり危険です、ということも教えていただきました。
十二支それぞれの年の日経平均騰落率を確認
話を戻します。ではまず、十二支のそれぞれの年の日経平均株価の上昇率を確認してみましょう。日経平均株価は1949年の途中から算出が始まりましたので、1950年以降の年間騰落率(前年末値→当年末値)を干支に合わせて計算し、その単純平均値と勝率(上昇した回数÷各干支の回数)をまとめてみました。

午年の過去のパフォーマンスは良くない!!
すると、なんと、午年の騰落率の平均が十二支の中で最低になります!!勝率も5割です。「午尻下がり」だ!!さすが先人の知恵、過去の経験則は正しい!! 理屈で説明できないアノマリーなんだから警戒しよう!!とかいう輩が出てきますが、そんな輩のいうことを鵜呑みにして良いのでしょうか?
アメリカの中間選挙年のパフォーマンスも良くない
ということで、もう一つの経験則をご紹介しましょう。アメリカの大統領選挙サイクルに合わせた日経平均の年間騰落率の平均値です。この後比較するデータ取得の制約上1980年以降の平均値になりますが。これを見ると、大統領就任一年目の株価騰落率が一番高く、中間選挙の年は低調、選挙前年はやや戻しますが、選挙の年は平均するともたもた、というイメージです。

NY市場の影響?
日本の株式市場はどうしてもアメリカ経済の見方やそれを反映するNY市場の影響を受けやすいですから、アメリカで何か起きてるのかな?ということでNYダウ平均株価について同じことをしてみました。すると、なんとなく同じような傾向が見えるではありませんか。

午年は必ずアメリカの中間選挙年なのです
アメリカの大統領選挙を軸にしたサイクルが4年周期、干支は12年周期です。
つまり、午年は必ずアメリカの中間選挙の年になるわけです。
だとしたら、「午尻下がり」の格言は、「アメリカの中間選挙の年は株は上がらない」と読み替えられます。
実際、先ほどの十二支ごとの当落のグラフを見ると、寅年や戌年のパフォーマンスも相対的にはよろしくない、ということが見て取れます。
各年で様々なことが起きているので平均値だけでは語れませんが
政治・経済状況はいろいろありますから、必ずこうだ、ということは言えません。また、平均値だけ見ると大きく変動した年に引っ張られます。例えば、大統領就任一年目の共和党大統領と民主党大統領のNYダウ騰落率の平均値が大きく違います。これは第二次オイルショックとかITバブル崩壊&NY同時テロの影響を受けたのが共和党大統領の時だったから、ということが背景です。また、大統領選挙の年も同様に平均値が大きく違いますが、これは世界金融危機(リーマンショック)の影響が大きいです。
ざっくり平均すると
とはいえ、ざっくり平均すると、市場の期待感としてはこんな感じでしょうか。
・大統領就任一年目は新しい任期が始まった(あるいは新任の)大統領が何か(景気にいいことを)してくれるんじゃないか、という期待感は強いでしょう。
・二年目(中間選挙の年)になると、大統領がやろうとしていることがなかなかうまくいかない、というのが露呈してきて、失望感が出てきやすくなります。
・三年目に入ると、次の年の選挙を前にして人気取り(あるいは景気浮揚)政策を行うだろうという期待感が高まりやすくなりそうです。
・四年目(大統領選挙の年)はさてどっちに転ぶんだろう?こっちになったらどうなる?あっちになったらどうなる?というモヤモヤ感が出やすいのでしょう。
中間選挙の年、ということが重要
特に中間選挙の年は、大統領の政党に関わらず平均値がもたもたしてます。実際、米国ではトランプ大統領の支持率が低下気味で、移民政策が微修正されたり、それを嫌って今後支持層がさらに離反するかもしれない、ということも言われています。
トランプ大統領支持層の暮らしが楽になって支持率上がるか?
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