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カブトムシみたいな娘たち

夜になると、我が家はちょっとした“森”になる。

電気を消して、さあ寝ようか、というタイミング。
そのとたんにスイッチが入るのが、ママセンサー搭載の0歳。

「どこにも行かせないぞ」と言わんばかりに、私の体によじ登ってくる。

腕、肩、お腹、顔のそばまで。とにかく密着。

寝かしつけているはずなのに、なぜか私が捕獲されている。


一方、2歳はというと。

何食わぬ顔で、当たり前のように母乳を飲みにくる。

もう赤ちゃんじゃないのに、その安心ルーティンはまだ手放さない。


結果、どうなるか。

私の上で、姉妹が鉢合わせする。

ゴツン。
ゴツン。

遠慮のない頭突き合い。

泣くでもなく、怒るでもなく、ただ譲らない。


その様子をぼんやり眺めていると、ふと頭に浮かぶ。

——カブトムシだ。

木の上で、場所を取り合うあの感じ。

どっちも譲らない。
でもどこか必死で、どこか愛おしい。


私は木か。

樹液を出しているのかもしれない。

甘くて、どうしても離れられないらしい。


重い。正直、かなり重い。

自由なんてほぼないし、寝返りも打てない。

それでも。

この“争い”の中心にいられる時間は、きっと今だけだ。


もう少し大きくなったら、

「ママ、どいて」

なんて言われる日が来るんだろう。

そう思うと、

このカブトムシたちの小さな戦いも、なんだか尊い。

今日も私は、静かに木になる。

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