『悪魔城ドラキュラ』『愛,Love Revue!』が癖に刺さりすぎた話【6000字超え】
2025年に上演された、宝塚歌劇団花組の『悪魔城ドラキュラ』『愛, Love Revue!』。
宝塚で好きな作品はいくつもあるが、芝居・ショーともにたまらなく刺さったのは、この作品だ。
今更だが、当時の観劇の思い出を妄想を交えながら語らせてほしい。
ちなみに、芝居とショー、2本立てをまとめて、通称「愛ラブ悪魔城」と呼ぶ。通称すらかわいいし、愛を感じる。
noteを書くにあたり、映像を見直したが、やはり映像には残っていないところも多かった。生の舞台っていいなあ。
『悪魔城ドラキュラ』前置き
演目が発表されたときから、好きそうな匂いはめちゃくちゃ感じていた。
原作であるゲームは知らなかったが、何を隠そう私はトワイライトというヴァンパイアとの恋愛を描いた小説が大好きである。
吸血鬼。完璧な美貌。禁断の恋。
うん。好き。
そして先行画像を見て確信した。
観劇しなくても分かる。
いつもより少し多めにチケットを取り、公演が始まってからは、大絶賛のSNSを片目で眺めつつ観劇日を待ち望んだ。
宝塚は原作リスペクトがすごい!という噂は聞いていた。
公演が始まると、SNSでは原作ファンによる解説が流れてきた。
この場面は原作のこのネタ、このキャラクターはこっちの作品から、と舞台を観る前から見逃せないポイントをチェックできた。
ヅカオタからも初めて宝塚を観劇する原作ファンへ向けて、宝塚とはこういう世界、という情報が共有されていた。(宝塚歴が浅いため、こちらも非常に勉強になった。)
まさに異文化交流である。
あの時期のTwitterは、悪魔城ファンとヅカオタの間に、熱狂的な高揚感と何ともいえない独特の絆が生まれていた。
そして、おもしろいことにこの作品、あくまで「オリジナルストーリー」である。
シリーズの1作を舞台化するのではなく、宝塚歌劇バージョン。
どうやらファンの方の感想を見るに、月下の夜想曲をベースに、様々なシリーズ作品から少しずつ要素をもらって、さらに宝塚色を乗せた作品らしい。
ベースの作品がありながら、オリジナルという表現をすることにも何だか愛を感じる。
悪魔城はゲーム音楽が素晴らしいという噂は聞いていた。
ゼルダの伝説スカイウォードソードをプレイした際に、ゲーム音楽の良さに気付いた私は、こちらも楽しみにしていた。
宝塚大劇場のロビーには自動演奏ピアノがあり、公演楽曲が流れている。観劇前に少し聞き、良さそう!と感じた。
公演が始まり、アルカード演じる永久輝せあさん登場シーンで、ありがとうございます、と感じる程度には最高だった。
ちなみに今でも定期的に月下の夜想曲のゲーム音楽を聞いているくらいには音楽そのものが好きになった。
さて、長くなったがまだ前置きである。これからは舞台本編について語る。話したいことしかないので、キャラクターごとにまとめる。
『悪魔城ドラキュラ』本編
・アルカード
登場シーンが本当にかっこいい。これから始まる!っていう期待感爆上がり。
衣装も重厚感あって素敵。
少し掠れたような話し方も好き。
ぐっと聞き惚れてしまう。
でも、最初に目が行ったのは、2次元からそのまま飛び出てきたかのようなそのビジュアルではなく、表情。
(いや、でもひとこちゃんの三白眼最高すぎるし、あの皮膚薄そう(?)なメイクもラブ)
確かに無表情ではあるんだけど、なんというか生気のなさもあり、だけど瞳から感じる意志の強さ、そして自分の生に対する諦念や父と母への思いみたいなのが無表情の中に入っている。
その表情と瞳に一気に視線を奪われた。
だけどこの、頑なな表情が子どもや半妖精を前にすると、ふと緩む。少し困ったような表情で、薄っすらと笑みを浮かべて。
アルカードの根底にある優しさや、人間らしさ、温かさを感じられる。
マリアの小芝居コーナーもかわいくて好き。それに黙って付き合うアルカードも良き。
アルカード「気が済んだか?」
宝塚ではよく、娘役さんのスカートさばきについて語られることも多いが、男役さんの「マントさばき」というものをこの公演で初めて実感した。
マントのひらめきが、美しい。
当然ただ歩いたり、腕が当たるだけではああはならない。
よく観察していると、美しくなるように、毎回手でふわっとさせたり、持ちながら歩いたりしている。
以前芸人さんがコントでマントをバサッとさせてたけど、美しさが全然違う。完全に計算されている。
…あの、この世界ではマントにお相手をくるむのは愛情表現だったりしますか?
マリアが噛まれたときに、マントにくるむ。このときは愛情ではなく、庇護対象みたいな感じだと思うんだけど、この辺りから2人の関係性が変わってきたと思う。
リサの研究室で、マリアが「彼(ドラキュラ伯爵)が止められないのは、人間を恨む気持ちというより、お母様への愛情ね」って言うんだけど、ここ!ここですよね!アルカードがマリアに対する感情が変わったところ!
(舞台を見ていて、恋愛が絡む作品だと「ここ」で恋心を抱いたんだな、みたいなところ絶対にあるよね?そこを探すのが好き)
アルカードは伯爵が憎しみを理由に動いていると思っていたから、愛と言われて心に響いたんだろうな。
サキュバス戦では、母を引き合いにされたときの「死すら生ぬるい」のセリフが大好き。
サキュバスの高笑いがすごすぎて、ずっと聞いていたい。
父を葬ったあとのアルカードの表情とリサとのシーンの表情。
前半の無表情とは対照的に、すごく表情に出るようになった。
無表情でマリアに愛を語るアルカードとにこにこで嬉しそうなマリア。
正反対の2人に見えるけど、アルカードはきっと、こういうマリアの人間くさい、ひたむきなまっすぐなところにも惹かれたんだろうな。
おでここつん。
ここめっちゃ良い。宝塚だとキスシーンになりそうな感じだけど、あえてのおでここつん。最高。
最早キスシーンじゃないから良いまである。
銀橋で少し表情が和らぐアルカード。そして自らマントにくるまりに行くマリア。ほら、マント!!ここでも意味持たせてくるじゃん!
からの顎クイ。マリア幸せそう。
最後にマントの中に入れてくれるアルカード。マリアは驚きつつもすっごく嬉しそう。
アルカードの表情だけ追いかけてても、もう永遠に語れる。
【おまけ】細かすぎて伝わらないマニアックアルカード集
・視線の位置。ある方向を見てて、まばたきのタイミングで反対側見てるの最高だった
・萌え袖アルカード。ちょっと袖が長め。服の中でずっと手をグーパーしてるシーンがあった。
・部屋で飲み物を飲んだ後カップの中一回覗くアルカード。
・マリアがドラキュラになったときの、「マリア…」と、部屋でマリアがアルカードに声かけたときの「なんだ?」の言い方が好き
・ドラキュラ伯爵(パパ)
正直性癖ぶっ刺さりすぎてやばい。
萌えとメロと妄想がとまらない。
パパ演じる輝月ゆうまさんの身長は177cm。そもそもこの時点でいい。
アルカードとパパの身長差。
リサとパパの身長差。
特にリサはもう本当にすっぽり収まるくらいの体格差。
もう並びが最高。
写真で見ても大変渋美しいドラキュラ伯爵だが、舞台で見ると迫力が半端ではない。
立っているだけで、圧力やオーラを感じる。
トップスターとはまた異なる、重厚感のある存在感で、専科さんの重みを感じた。
あと、左手薬指に指輪を着けている。これ、結婚指輪ですよね?
この世界に結婚指輪の概念ある?これ、もしかしてリサが人間界ではこうするのよ、みたいなくだりありましたか?
もうパパ、足組んで肘付いて顔傾けて座ってるだけでかっこいい。
この状態で、リヒターを遠隔首絞めするんだけど、そのときの手が!手が!
しかも、話し方ちょっと若本規夫さん意識してますよね?原作は知らなくても、一通りオタクはやってきたので、ばっちり若本みをキャッチしました。
千秋楽の映像見てたら、大分若本みが薄くなってたかな?
アルカードとドラキュラの戦い。
アルカードの一言で、戦う相手から父と息子に戻る。
シャフトに苦しめられてるアルカードに気付いたパパ、すごく心配そう。完全に父の顔。
アルカードはずっとパパを見て話をしているけど、パパはアルカード見てなくて、最後の最後にちゃんと顔を見る。
パパとアルカードの抱擁、アルカードはすぐぎゅってするけど、パパは少し時間おいてから手を添える。
「我が息子よ、ありがとう」
ここ、こんな表情してた??
パパ、すっごく優しい顔してて、映像見てびっくりしちゃった。
ラスト、パパがリサを後ろから抱きしめる。パパがリサの腰に手を当てて、リサが反対側の手で伯爵の手と重ねてるの…かわいい…
しかもこのシーン、舞台装置の少し高いところに立ってるんだけど、袖にはけるところが本当に最高で!2階席で見えたんだけど、階段降りるときにもリサをマントで隠しつつ、ちゃんとエスコートして降りてたの!
この世界ではマントは愛情表現ですよね?
見えないとこで!!!しかも2階席で、ライトに当たってない、オペラで見てないと気付かないようなところでそんなことして!!!!
・デス様
いや、ねえ待っておかしいよね?宝塚ってここまでする??
そもそもタカラジェンヌって皆様麗しいご尊顔をお持ちで、そこにさらに圧倒的メイクテクにより芝居でもショーでもとんでもない美貌を振りまいてるんだけど、骸骨メイク!?
しかも自分であのメイクするの!?
特殊メイクじゃん!!
メイクも凄すぎるけど、あの動きは何??気持ち悪すぎるんだけど!(褒め言葉)
人間ってあんな骨だけの動きできる??
笑うときもヒッヒッヒって肩から笑うの本当に気持ち悪い!
目、っていうか眼球の動かし方もギョロって感じで骨についてる目の動きをしてた。
もう気になって気になって仕方なくて、結構な頻度でオペラ構えてた。
アネットに扮するとき、映像だと見えなかったけど、デス様の声に変わる前にチラッと骸骨の手が見える。そこで、声を聞く前に違うって分かるの良かった。
ほぼ見えないんだけど、ご自身で骨のタイツも用意して履いていたらしい。万が一見えてしまったときのために。
こだわりがすごいなあ。
・半妖精
私の贔屓なので、皆さんぜひ見てください。
ゆめちゃんがあまりにもフェアリーすぎて感動した。勝手にこれは今のゆめちゃんだから出来たお役かなとも思ってる。
妖精ではなく、「半妖精」。
当時研2のゆめちゃんだからこそ、「半」妖精の、未完成でフレッシュな幼さややんちゃさも感じる雰囲気が出せたのではないか。
衣装もかわいい。
歌もうまい。地声は娘役さんとして少し落ち着いたハスキーボイスなんだけど(そこも好き)、高音も美しい。
歌の最中に半妖精が2回覗くような動作をするんだけど、アルカードが最初は見ないように反対側見てたけど、2回目は少しチラッと顔を向ける。
最後に、アルカードに鼻をちょんってされたときも、すっごい高い声で「キャッ」って言うの、裏返ったり掠れたりせず、ちゃんと発声できるのもすごい。
さっきも言ったけど、このときのアルカードの表情も最高。
いやしかし、鼻をちょんって。
ゆめちゃんは村人役でも出てるんだけど、本当にあまりの可愛さとオーラで、村人としては浮いてる。(褒めてる)贔屓目かもしれないけど(贔屓だし)、村人の中で一人だけ光輝いている。
・修道女
修道アルカードに呼ばれ、「はい〜🥰」って返事したけど、実は自分じゃなかったとき、え?って顔した後にごまかすようにのびしててかわいかった。
映像に残ってなくて残念。だけど、周りの修道女たちがクスクス笑ってる声は入ってた。
最後に、ほんっとにめちゃくちゃどうでもいい話をさせてほしい。
宝塚には、公演デザートなるものがある。ジェラートショップのボヌールでは「アルカード」(Draculaの逆さ読み)にちなんで、「ドラキュラのドは"DonutunoD"」が、販売されていた。
さては、天才がいるな?
【愛,Love Revue!】
恐らくこれが皆さんのイメージするThe宝塚。
そしてそれを、宝塚初観劇も多いであろう悪魔城の後にもってくる。
宝塚歴の浅い私も、当然刺さる。
宝塚は、芝居とショーの2本立てが多く、シリアスな芝居の後にご機嫌なショーが始まったりするので、慣れるまで情緒が追いつかなかったり、幕間に気持ちの切り替えが必要だったりする。
この組み合わせは、本当に絶妙。
悪魔城の、切なさと2人の幸せを願う温かな気持ちをもったところに、華やかだけど、柔らかな感じでスタートするので、スッと入りつつ、うわー!宝塚!これめっちゃ宝塚だ!!と感じることもできる。
そして全編通して衣装が最高。
ふわふわのドレスに、軍服もあり。
ぜひ衣装にも注目してほしい。
まずはプロローグ。
ひとこちゃんの登場シーンの立ち姿が美しい。
大階段に娘役さんがずらりと並び、♡を描くようなフォーメーションに。
美咲ちゃんがめちゃくちゃキュートな顔して娘役を引き連れてくるの最高。娘役さんだけでスカートをひらっひらっさせながら踊るのも眼福。
個人的に大好きなシーンは追憶。
額縁の中でじっとしてる男役さんたちをオペラで眺めるのが好きだった。
スカートみたいなひらみのある衣装も、マントとは違う布感があっていいし、絶対このダンスこの衣装で踊りづらいよね?みたいな動きも難なくこなす。
音楽もダンスもかっこいい。
そのあとの娘役さん!
ここの美咲ちゃんの衣装がめちゃくちゃ好きで!!超かわいい!!
後ろに娘役さんずらーっと並んで、パステルカラーのスカートひらっひらっさせてるの、最高に宝塚みを感じる。
今回トップ娘が娘役をはべらす(?)シーンが結構あって嬉しい。
しかも美咲ちゃんと合わせたひとこちゃんのお衣装もキラッキラでイケちらかしてるので、もう2人で結婚式挙げてほしい(?)
他の男役さんが白ってのもいいよね。
つまり、中詰最高。
みんな大好き、バッパワ。
おらついてる男役さんなんてなんぼあってもいいですからね。
でもこれは生の舞台で、あの観客の熱気含めて楽しかったなあ。
ジゴロ。
トップさんが娘役さんの足触るのがめちゃくちゃ癖なので大感謝。
これ、タカラジェンヌだから成立してますよね。言ってしまえばエロいけどいやらしさがない。色香だけが残る。
その後お尻の下?太もも?らへんで美咲ちゃんを持ち上げて支えるのも最高。
デュエダン。
ここの衣装もいいよね。男役さんのピンク(しかも花組で)って、クラシックタカラヅカ的なイメージあるけど、それをデュエダンで。
美咲ちゃんが駆け寄ってそのままリフトに入るのも尊い。
フィナーレ。
美咲ちゃんのドレスかわいいパート2。胸元と腰(ほぼ見えない)の大きいリボンもベリーキュート。
淡いブルーに、レースの内側にだけ淡いピンクを入れたドレス。
男役さんも娘役さんも中詰のときみたいなパステルカラーで、視界いっぱいに幸せが広がる。ここはもう、あえてオペラを使わず、全景で味わいたい。
そして最後の最後。追い出し演奏。
幕が降りた後に、オケの方が1曲演奏してくれる。もう、ここまで含めてショー!
指揮者の方がノリノリで!(あまりにも楽しそうで印象に残ったのでお名前覚えました。石井勇魚さんです。)オケの人も最後に楽器ふってくれて!
普段はオケの人に拍手する機会ってないけど、このときはいつもありがとー!の気持ちで拍手していた。
最後に一言だけ
公演から1年以上経った今でも、映像を見ながら公演を思い出し、あれこれ妄想が膨らんでいく。(既にひとみさは結婚式を挙げました)
それだけ大好きだと思える作品に出会えたことが、本当に幸せ。
声を大にして言おう!
愛ラブ悪魔城!!!
