元外資モーガンが教える株の授業 #02|株価はなぜ動くのか――需給と業績と外部要因の三角関係
「マーケットは感情で動く。だから私たちは論理で動く」
元外資系金融機関アナリストのモーガンです。前回は「株式とは何か」を学びました。今回は株価がどのように決まり、なぜ動くのかを掘り下げます。
株価の本質は「需要と供給のバランス」
株価を動かす根本原理はシンプルです。買いたい人が多ければ上がり、売りたい人が多ければ下がる。
ただし「なぜ買いたい人が増えるのか」「なぜ売りたい人が増えるのか」には、複数の要因が絡み合っています。大きく分けると「企業固有の要因」と「市場全体の要因」の2つです。
企業固有の要因:業績・ニュース・成長期待
企業の決算発表、新製品の発売、M&Aのニュース、不祥事の発覚――これらはすべて「その会社の株を持ちたいかどうか」という判断に直結します。
典型的な例がトヨタです。円安局面ではトヨタの海外売上が円換算で膨らむため、業績が上振れしやすく株価も上昇しやすい。しかし不正問題の発覚や中国市場での販売不振が重なると、同じ円安環境でも株価は反落します。さらに研究開発費や設備投資が増えると営業利益が圧迫され、「将来の成長のためとはいえ今は稼げていない」と見られ売り材料になります。
一方で日産は売上規模があるにもかかわらず、営業利益・当期純利益の悪化が続いています。EV(電気自動車)シフトへの投資は将来への布石ですが、現時点で収益が伴っていないため市場の評価は厳しい。業績の「今」と「将来」、両方を見極める必要があります。
市場全体の要因:為替・金利・経済政策
企業がどれだけ健全でも、マクロ環境の変化で株価が動くことがあります。
為替はその最たる例です。円安は輸出企業の追い風ですが、円高に転じれば一転して逆風になります。金利の上昇は企業の借入コストを高め、成長株の割引率を押し上げるため株価を下押しします。戦争・自然災害・インフレといった予測困難な外部ショックも需給を急変させます。
需給それ自体が動く場合もある
業績でも経済でもなく、需給の構造変化が株価を動かすケースも見逃せません。
オリエンタルランドがわかりやすい例です。コロナ禍からの業績回復が続いていたにもかかわらず、大株主である京成電鉄が持ち株を売却するとのニュースで株価が下落しました。市場に大量の売り物が出れば、業績と無関係に株価は下がります。東映アニメーションも急成長した後、成長率の鈍化と大株主の売却圧力が重なって株価が上値を抑えられた時期がありました。
「良い会社=株価が上がる」とは限らないのはこのためです。
モーガン先生のまとめ
株価を動かす要因は①企業固有の業績・ニュース、②マクロ経済・為替・政策、③需給の構造変化――の三つです。この三角関係を頭に入れておくと、株価の動きに振り回されにくくなります。「なぜ今この価格なのか」を自分の言葉で説明できるようになることが、投資家として成長する最初の一歩です。
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