立派すぎるインゲン豆は売れない。都内で初めての援農ボランティア
先日、都内の某農園にて援農ボランティアに参加させてもらいました。
援農とは、農家さんと双方に合意を取り、ボランティアとして農作業を手伝う制度です。
農業に関心があるけれども、実際にどのような作業をするのか、どれほど大変なことなのかがわからない。
そういった方におすすめなのが、援農ボランティアです。
私はJICAの青年海外協力隊に関心を持っており、グローバルサウスの農業の実態を調べておりました。
専門的な分野になると、作付けや播種、聞きなれぬ言葉が並んでいました。
私は農家や農学部出身ではなく、農業経験といえば、幼稚園の頃のお芋掘り、小学校の農園、ベランダ菜園程度です。
調べるうちに、農業というものを身をもって知りたい、と思うようになりました。
しかし農業を一から立ち上げることはあまりにも重い……と頭を悩ませていたところ、都内であれば、下記のシステムから簡単に農家さんとマッチングでき、一度きりでも大丈夫であることを知りました。
早速応募して、週末の午前に援農をすることになりました。
集合と身支度
集合は午前9:30。7月にしては涼しい曇りの日でした。
農園に着くと、私の他には女性と男性が一人ずつボランティアとして参加しておられました。全員初対面です。
長袖、長ズボン、長靴、帽子、首に巻いたタオル。指定の服装は完全防備です。
雑談をしているところに、頭にオニヤンマの模型をくっつけた受け入れ農家さんがやってきました。
私は長靴を持っていないのでスニーカーで参加したところ、問題ないとおっしゃっていました。
また、東京都から、援農ボランティア用の手袋とタオルが支給されているとのことで、ありがたくその手袋を使わせていただきました。
インゲン豆の収穫
準備ができたら農作業の割り振りをします。
私はもう一人の女性と組になって、インゲン豆の収穫をすることになりました。

その農家さんのインゲン豆はとても大きくて立派でした。普段スーパーで目にするものの2~3倍はあるように思えました。
インゲン豆の根元を一本ずつ両手で折って、かごに収穫していきます。
もう一人の女性は、ものすごいスピードで収穫をしてゆきます。
私はスニーカーだったので、長ズボンの裾から入ってくる足元の草に脛をくすぐられながら、少し遅れながら収穫をしていました。
虫に食われたのか穴が空いてしまっている豆や、何らかの発育不良だったのか10cmほどに縮んでしまっている豆を、収穫して良いのか迷いました。
収穫していいのか農家さんに聞きましたが、とにかく全部取ってしまっていいとのことで、何も考えず全て収穫することにしました。
しかし全て取るとは言うものの、背が届かなかったり、葉っぱの裏に隠れていたりして、どうしても私は時間がかかってしまいました。
植物が折れた時の青臭い匂いを感じながら、黙々と作業をします。
蚊や蝿や芋虫、様々な虫に出会いました。
印象に残っているのは、くまん蜂です。
そこそこ大きかったので刺されるのが怖く、蜂の様子を観察していると、あることに気がつきました。
普通に考えれば当たり前なのですが、蜂はインゲン豆の花を順番に移動していっていて、進んで私を襲うことは無かったのです。
「何もしなければ、何もしてこないよ」。
子供の時に大人に言われたことが、その時思い出されました。
道路沿いで作業していたので、背後の網柵を隔てて人が通り過ぎました。
「枝豆かなー?」と言っている人がいたので、私は、「インゲンだよ!」と答えました。ちょっと変な人。
もう一人の女性に私の分の仕事を手伝ってもらいながら、ようやく一列のインゲン豆を収穫しました。
その列を離れるとき、別の視点から見ると、ところどころにインゲン豆が残ってしまっていました。
これでいいのか、と思いつつも、かごいっぱいのインゲン豆を農家さんのところへ持っていきました。
インゲン豆の袋詰め
収穫したら、次は袋詰めの作業を指示されました。

指定の重さを計量して、ビニール袋に詰めていきます。
この段階で、商品にならないインゲン豆を弾いていきます。
穴が空いていたり、折れてしまっていたり、あと意外だったのが、大きくて立派すぎるもの。
私が感嘆した豆は、商品にならなかったのです。
農家さんに言われた基準で素人目で弾いていくと、収穫したうちの半分ほどが弾かれてしまいました。
どうするのかと思っていましたが、弾いたものの山をまた農家さんが選別するとのことで、少し安心しました。

この穴が空いた透明のビニール袋ですが、界隈では「ボードン袋」と言うそうです。
「防曇」でボードンです。曇り防止の加工がされています。
確かに、まだ呼吸をしているようなインゲン豆を詰めても、曇ることはありませんでした。
袋詰めの最中に、農家さんがアイスをくれました。
曇りとはいえそれなりに暑かったので、冷たい甘さが身体に染み渡りました。
詰めたインゲン豆はそのまま、農家さんの手によって農園の無人販売所に置かれました。
素人が収穫して、選別して、袋に詰めたものが、直にお客さんの手に渡る。
その様を見て、背筋が伸びる思いでした。
作業中にも、無人販売所には結構お客さんが訪れました。
時折、お釣りは無いかと声をかけられます。
そうか、お客さんからしたら、私たちボランティアも農家さんと同じように見えるのだと、またしても背筋が伸びました。おこがましいですが。
作業終了
12:00。ボランティア終了の時間です。
あっという間の2時間半でした。
「こき使ってごめんなさい」
と農家さんはおっしゃいました。
しかし、文字通り汗水流して一仕事をしたという晴れやかさは何にも代えがたく、素人の私を上手に使ってくださったことに、感謝が止まりませんでした。
最後に、今日のお礼とのことで、お野菜をたくさんいただきました。


規格外となったインゲン豆、ピーマン、きゅうり、白茄子。
それらに加えてルバーブという野菜をいただきました。
ルバーブとは、赤いフキのような野菜で、酸っぱい味をしています。
初めて知ったので色々と調べたのですが、熱を加えるとほろほろ溶けるので、ジャムやパイにして食べる、とのこと。
実際、家でレンチンしてみましたが、本当に溶けました!

ヨーグルトにかけて食べました。とても美味しかったです。
(農家さんにはこの体験を記事にする許可をいただいています。宣伝になるからありがたいとのことです。)
