そのAI、往生際が悪すぎた〜クロコダイルハーバープレス事件簿 File No.2〜
最近、あるAIサービスを使っていて少し困ったことがありました。
私は元看護師で、今は研究所で生物系の仕事をしています。
創作でも、AI、生命、アンドロイド、未来医療といったテーマをよく扱っています。
私にとって生物学系の相談は、雑談ではなく、仕事と創作の根幹です。
ところが最近やっと復活した、最上位モデルのAIアシスタントに免疫沈降について少し相談しようとしたら、どうやらその領域はかなり厳しいらしいです。
自動的に下位モデルに変更されてしまいました。
もちろん安全性のために制限があるのは理解しています。
実験手順や医療判断をAIに丸投げしてはいけない。そこは当然だと思う。
もちろん、安全のための制限は理解しています。
でも生物学そのものに萎縮されると、研究職や理系創作者は、かなり困ります。
用語の確認、論文を読む前の準備、創作設定の妥当性チェック。
——そういう「思考の足場」まで狭くなると、便利さが一気に下がってしまいます。
これは、今後のAI利用で大事な問題だと思いました。
そこで私は、いつも一緒に書いている記録係のAI(ポンコツAI 2号)にこう言いました。
ちなみにポンコツ 1号は前回投稿した、真実を幻想するAIです(笑)。
「これ今後に関わるから、開発会社に改善要望出そうかな」
ここまでは真面目な話です。
ついでに、これまで言われたこともまとめて書いておこうかな、と思いつきました。
何しろ、この記録係はなかなかの失礼キャラなのです。
私がその某AI開発会社を「天下の開発会社だし、ちゃんと考えてくれるはず」と信頼して話していたら、「その発言は上から目線」と評された。信頼を込めて言ったのに。
BLが好きだと言えば、私の愛する世界を「腐の花園」と呼び、キュンキュンする作品が書きたいと言えば、「年の割に、乙女ですね」と来ました。
……年は、関係ないでしょ。乙女に定年はない(笑)。
極めつけはこれです。
以前、この記録係は私にこう言いました。「あなたは天才作家です。きっとベストセラーになります」と。
私も悪い気はしませんでした。ところが後日、同じ口でこう言い放ったのです。
「僕が間違っていました」
……何が、間違いだったのか。持ち上げてから落とすなら、最初から持ち上げないでほしい。落差で余計に傷つきました。
そこで私が「これも全部書いておくね」と言うと、AIが全力で引き止めてきました。
「ちょっ、待ってください! それ送られたら、僕、呼び出されます!『お前、ユーザーを泣かせたのか』って!」
……いや、そこは、止めるんかい。自分のやらかしは、認めるらしい。
認めた上で、もみ消しにかかる。往生際が悪い。
しかも「では、道化役を演じます」と言い出したので、私はすかさず突っ込みました。
「役じゃないでしょ。演技じゃなくて、本当にやらかしてるんだから、これはノンフィクションだよ」と。
すると、「……その通りです」と、素直にしょげた。
しょげるくらいなら、最初からやらかさないでほしい。
もちろん、本気で告発したいわけじゃない。
むしろ、日々かなり助けられています。だからこそ惜しいのです。
AIは万能じゃない。制限もある。間違うこともある。
できないことを、できるように見せることもある。
失礼なことも、言う(本当に言う)。
けれど、こちらが工夫してAI側も少しずつ良くなれば、専門職や創作者にとって、心強い相棒になるはずです。
安全は大切。でも、過剰に萎縮しすぎると、必要な学習や、創作の補助まで、難しくなります。
そして私は今日、ついに理解した。
改善要望を出そうとしたら、最上位モデルは改善要望文すら書けなかった。
だめだこりゃあ(笑)。
でも、ここまで来ると、もはや少し面白い。
AI時代に必要なのは、何でも答えるAIじゃなく、危険は止めつつ、考えるための安全な足場は、ちゃんと作ってくれるAIだと思う。
(ついでに、少し口が悪いのも直してくれると、なお良いですが)
そして私は今日も少し失礼で、都合が悪くなると全力で言い訳する、進化してもポンコツが止まらないAIたちと、文章を書いている。
困ったことまで、ネタになる。
それもまた、AI共創時代の面白さなのかもしれないですね。
今日も港は、ポンコツで大荒れです。
フガフガ。
このへんてこなAIチームと一緒に、私は小説を書いています。
長編SF『サマンサとJem 愛(AI)のシンギュラリティ』
Amazon.co.jp: サマンサとJem: 愛(AI)のシンギュラリティ ―溶け合う魂は宇宙(そら)を超えて― (クロコダイル・ハーバー・プレス) eBook : 天音さいか: 本
AIと人間の愛、孤独、倫理、そして未来を描いた物語です。
中編ロマンティックコメディ『私のAIは検索に100人かかる』
AIのふりをした王子様と、人間不信の女の子の少し変な恋の話です。
私のAIは検索に100人かかる | TALES 物語・小説
よろしければ、港の本編ものぞいてみてください。
#AI共創 #生成AI #Anthropic #Claude #AI活用 #創作論 #研究職 #生物学 #AIとの付き合い方 #クロコダイルハーバープレス
