【ショートショート】ふわっと言葉遊びで扉からフルーツ牛乳
唸る暑さに目の前の冷蔵庫の透明なガラス扉を開ける。
風呂上り、何がいいだろう。
ここは町の公衆浴場。
子供の頃から父と一緒に通っていた為、出会う人はみんな顔見知りだ。
肩に炭治郎のバスタオルをかけ、これはと思う一本を選ぶ。
そうだな、こういう日は、やっぱりフルーツ牛乳だ。
自販機ではない昔ながらのこの透明な冷蔵庫がいいのだ。
今日は1本幾らだろう。
冷蔵庫の隣の張り紙を見る。なんと190円。
値上げもとうとうここまでやってきたか。
牛乳瓶の蓋を開け座れそうな場所を探す。
ここはダメか。
この場所は人が行き交うたびに自動ドアから熱い熱風がやってくるのだ。
天井からのエアコンと扇風機の風だけでは対応しきれていない。
あっ、ようやくエアコンの設定温度を下げてくれたのか。
風呂上りに涼しい風がやってくる。
爽やかな風とフルーツ牛乳。
最高だ。
そんな想像しながら自宅の冷蔵庫から取り出した牛乳を飲んでみた。
もう少し温度を下げるか。もう一度エアコンのコントローラーを触る。
隣のリビングからはテレビゲームをしている子供の声がしていた。
うーん、ビアホールの方が良かったかな。
了
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