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【ショートショート】教室の違和感 風まかせ文芸部 

朝、教室の扉を開けると、いつもと違う違和感を覚えた。

この空気感は、一体なんだろう。

張り詰めたような空気に、私の鼓動が跳ね上がる。
2階の教室の窓から見える景気は、こんなに青空が広がり、気持ちいい風が吹いているというのに。

私は挨拶もそこそこに自分の席に座る。
みんな私となかなか目を合わせようともしないし・・・

朝から餃子とカレーライスを、食べてきたせいかな。
餃子だから、口はニンニク臭いよね。

鞄の中からフリスクを取り出し口の中に入れる。

『うーん、スッキリ』

この清涼感が堪らない。

なんてしている場合じゃなかった。

何故か、みんな真剣に社会の教科書を読んでいるし。

何故だろう。

隣の席の香織に声を掛けてみた。


「あれ、沙奈、知らないの?今日地理のテストだよ。」
「うそっ、」
「今日の夜LINE回って来てたのに。見てないの?」

慌てて、確認するが、確かにそうだ。LINEが来ている。しかも既読まで付いてるし・・・

だが、私いつ見た?見た覚えないよ。

「えー、香織。教えてよ。友達でしょ。」

だが、香織はむっとした表情で答えた。
「教えたよ。昨日夜LINEしたよ。」

私はもう一度画面開き念入りに確認する。
『重要事項 先生からLINEあり。要確認。』
確かにLINEは来ていた。
「ごめん、香織・・・来ていた」
それに・・・丁寧に返信までしていた。

だが、おかいい。記憶にないのだ。
いつ来ていつ返信したのか。
きのうは、眠くて早々に眠ってしまっていたからか。
おかげで、今朝は5時前に目覚めたが。

『あり得ない、これは、家にお化けがでたとしか思えない。私の知らない間にお化けがスマホに忍び寄って勝手に既読にしたんだ。』

「どうしよう、香織。家にお化けがいる。私こんなの書いた覚えがないよ。」

「・・・沙奈、また・・・いつまでも、こんな事言ってないで、地理の教科書開いたら、地理の授業は1時間目だよ。」

「うーっ、冷たいやつ・・・」

友人の香織の呆れまじりの声に、涙目で教科書を広げる。

だって、本当に身に覚えがないのだ。
一週間前にも同じようなことが起きた。
英語のテストの前の日に突然お化けが現れて、私の英語の記録を全消去していったのだ。

おかげでテストの点数はギリギリの29点だった。

最悪だ。私は地理が大の苦手なのに。

今の此の記憶もこのまま消去してしまいたい。

「沙奈、あのさ、独り言全部聞こえてるよ。英語のテストの時も、今と全く同じ事言ってたし。」

友人の香織の言葉は、どこか身に覚えがあり、違和感なく聞こえていた。


風まかせ文芸部様に参加させていただきました。
LINEで前日の夜にテストの情報が流れてくるなんて、私が高校生だった時にはなかったのに、
時代は変わるものだとつくづく感じます。


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