#104 ★「志望校との相性」を測り違える??過去問に触れる秋の盲点
導入:過去問演習の最初の衝撃
6年生の秋、多くの家庭で「志望校の過去問」に本格的に取り組み始めます。
これまで模試や塾のテキストで積み重ねてきた成果を確認する場として、親子ともに期待を込めて臨むケースがほとんどです。
ところが——。
初めて挑んだ過去問で「全然点が取れない!」という現実に直面するご家庭も少なくありません。逆に「思ったより点が取れた」という結果に安堵し、「この学校とは相性がいいのかも」と早合点するケースもあります。
ここで生まれるのが、“相性”の誤解です。
点が取れた=相性がいい
点が取れない=相性が悪い
この短絡的な理解が、志望校選びや直前期の学習方針に大きな影響を与えてしまうのです。
誤解①:点数だけで相性を決める
1回分の過去問結果を見て、「やっぱりこの学校は無理だ」と結論づけてしまうご家庭があります。
しかし、入試問題は年度ごとに大きく表情を変えるものです。
例えば算数。
ある年は図形中心で、翌年は数の性質が多め、といったように出題傾向は揺らぎます。子どもの得意分野・不得意分野がどこに当たったかで、点数は大きく上下するのです。
実際に私の塾でも、初回の過去問で「40点しか取れなかった」生徒が、翌年度の問題では「70点超え」を出すことが珍しくありません。
これは本人の実力が急に変化したわけではなく、出題の当たり外れに過ぎないケースが多いのです。
つまり、1回の得点だけで「相性」を決めるのは極めて危険だといえます。
誤解②:模試偏差値と相性を混同する
もう一つよくあるのが、模試の偏差値と志望校との相性を同一視してしまうことです。
模試で偏差値60を取れているから、この学校とは相性がいいはず。
模試で偏差値が低いから、この学校は厳しいに違いない。
しかし、模試はあくまで「全国的な標準問題」による位置づけを示すもの。
一方で志望校の入試問題は、その学校の教育理念や学力観を反映した独自の形式で作られています。
例えば、ある学校の算数は「スピード計算を重視」し、別の学校は「複雑な文章題での思考力」を試す。
同じ偏差値帯の学校でも、問題のカラーはまったく異なるのです。
ですから、模試の数字=相性と考えるのは誤りです。
模試は全体の立ち位置を把握するためのデータであり、相性を測るには過去問そのものを複数年分確認する必要があります。
“相性”の本当の意味
本来の「相性」とは、単なる得点の上下ではなく、子どもの学習特性と入試問題の構造がどれほど噛み合うかという点にあります。
出題形式:記述中心か、選択肢中心か。途中式を丁寧に書かせるか、一発の正答を求めるか。
時間配分:大問ごとの重みや、1問にかかる平均時間と子どもの解答スピードの相性。
得点戦略:満点を狙う設計なのか、「6割を取り切れば合格圏」に収まる配点設計なのか。
例えば、丁寧にじっくり解くのが得意な子は、スピード勝負の入試では苦戦します。逆に瞬発力はあるが答案を緻密に仕上げるのが苦手な子は、記述重視の学校と噛み合いません。
つまり相性とは「点数の高さ」ではなく、**問題と子どもの学び方の“噛み合わせ”**にこそ宿るのです。
有料部分では「上手な噛み合わせ方」について詳しく説明していきます。
改善の方向性①:複数年度で見る
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