【副部長日記】重機は、文化になれる。――絵本とイラストがひらく“重機の未来”
鉄道は「文化」になっている。
でも、重機はどうだろう。
重機ファンダムは、「重機文化を広めたい」という想いで活動しています。
その中で、私たちが確信していることがあります。
絵本やイラストには、世代を超えて心に刺さり、ときに誰かの人生を変える力がある、ということ。
今回は、重機という存在を“文化”に近づけてくれている、素晴らしい作家・企業のみなさんとの出会いをご紹介します。
本物の整備士が描く夢 ――絵本作家はっとりひろきさんとの出会い
日立建機が運営している重機ファンのためのコミュニティサイト「重機ファンダム」には、「気軽にひとこと」という人気コーナーがあります。
その中でも特に盛り上がるテーマのひとつが「自分、この本で育ちました」。

多くの重機ファンが、子どものころに出会った一冊を“バイブル”のように語ってくれます。
突然、重機が好きになるのではない。
幼いころの記憶に、ちゃんと種がまかれているのです。
そんな中、ある投稿が目に飛び込んできました。
「重機整備士で、絵本作家の方がショベルカーの絵本を発売します」

「ショベルカーごあんぜんに!」を紹介いただきました。
本物の整備士が、本気で描く絵本。
絶対に、子どもも大人も好きになる。
調べると、
近日中に神田のブックハウスカフェで
絵本「ショベルカーごあんぜんに!|交通新聞社」の著者による
原画展が開催されるとのこと。
いてもたってもいられず、仕事の合間に神田へ。
勇気を振り絞って声をかけたのが、絵本作家のはっとりひろきさんでした。
それは、2025年2月。
まだコミュニティサイトを立ち上げて、3ヶ月目のころでした。
サインをかいていただきながら、
突然の「重機ファンクラブを始めまして…」というわたしたちの話にも、真摯に耳を傾けてくださり、まだ小さな活動でしたが、ビジョンに共感してくださいました。(ちなみに、重機文化振興に多大なるご尽力をいただいているということで、誠に勝手ながら感謝状をお送りしました)
そして、コミュニティサイトにも自己紹介を投稿してくださったのです!
“憧れの人とつながる”場所ができた瞬間でした。

(クリックすると、コミュニティサイト「重機ファンダム」の
該当投稿をご覧いただくことができます)
その後、建機工さんと「記念日 建設機械の日」のイベントをどうするかアイデア出しをする中で、絵本に関する企画が浮上。
現役整備士でもあるはっとりひろきさんは、まさに適任でした。
2025年6月、幕張メッセで開催された業界の展示会 CSPI-EXPO。
土曜日の一般開放日にあわせて
建機工ブースでは、はっとりひろきさんによる
原画展とトークショーを開催!
業界と絵本がつながった、歴史的な瞬間でした。
そして2025年11月23日、初開催の「建設機械の日」記念日イベント、KENKIドリームDAY。
スペシャルトーク、読み聞かせ、サイン本の発売。
子どもたちが絵本を抱きしめ、
キラキラした目ではっとりひろきさんを見つめる姿。
整備士として働きながら夢を叶えた姿は、多くの人に勇気を与えました。

はっとりひろきさんによるスペシャルトークショー
KENKIドリームDAY当日の様子は、はっとりひろきさんのnoteへ👇
「重機って、かわいい。」――寿建設と武者小路晶子さん
重機が好きなのは、男の子だけではありません。
「重機って、かわいいよね。恐竜っぽいし、生き物みたい。」
重機好きな女子で集まると、いつもこんな会話が飛び交います。
そんな世界観をまさに体現している!と思ったのが、あるネットニュースを見たときのこと。
そのニュースでは、福島県のある建設会社が「かわいい重機カレンダー」を制作していると紹介されていました。
その会社の名前は寿建設さん。
トンネル工事などを手掛けている福島県の建設会社です。
このカレンダーは、イラストレーター武者小路晶子さんとのコラボレーションによって生まれたもので、重機への愛がたっぷり詰まっています。
2025年1月、重機ファンダムにある1つの投稿がありました。
それはなんと、以前ネットニュースで見ていたそのカレンダーの配布企画。

(トライアローさまより)
さっそく、レターパックにラブレターを添えて、
カレンダーを一部いただきたいとお送りしました。
数日後、届いたカレンダーは、想像以上の可愛さ!
私は嬉しくてすぐデスクに飾り、
同僚に「これぞ重機のかわいさが伝わる絵でしょ!!」と自慢していました(笑)
すると後日、一通のメールが届きました。
それはなんと、寿建設の社長から!!
福島へ伺い、たくさんお話をさせていただきました。
トンネル貫通の感動的なYouTube配信のこと、
絵本『だんだんできてくる トンネル|フレーベル館』との出会い、
イラストレーターの武者小路晶子さんとカレンダー企画が始まったこと、
同社の依頼で写真家・山崎エリナさんが撮影した工事写真が写真集「インフラメンテナンス」「トンネル誕生」として出版されたこと、
同社がアイデアを提供したことがきっかけで開発された本格重機シュミレーターアプリ(のちの「重機でGo」)のこと…。(すごすぎます!)



なんとレバーパターンが本物と同じ4種類から選択できます。
建設業の魅力を、どうやって身近に伝えるか。
その真剣で、そして楽しそうな挑戦に、強く共感しました。
2025年7月の重機ファンダム第二回オフ会にも参加いただき、
文化と業界がまた一つ、近づきました。
世界に5台。スイブル®が教えてくれたこと
重機ファンと話していると、
定期的に何度も登場してくる名前があります。
それは、
「スイブル®くん」。

その正体は、水陸両用ブルドーザー。
こもりまことさんによる絵本『のっぽのスイブル155|偕成社』
に登場します。

この絵本のモデルとなったのは、
コマツが1970年代から約25年間で36台のみ製造・販売されたD155W。
なんと、国内に現存しているのが青木あすなろ建設さん所有の5台のみ、といわれています。
このスイブル®は、東日本大震災をきっかけに、
14か月の大修理を経て復活しました。
このストーリーが、絵本作家こもりまことさんの手によって、絵本『のっぽのスイブル155』として語り継がれ、ファンによって愛されているのです。
寿建設・森崎社長のご縁で、青木あすなろ建設さんと出会うことができ、
2025年7月の重機ファンダム第二回オフ会では
スイブル®のラジコン展示も実現しました!

(青木あすなろ建設さまからの投稿)
「いまこそ、あいつの出番だ!」
忘れられていた一台が、災害をきっかけに再び人々を支える存在になった。
重機は、ただの機械ではない。
希望の象徴にもなり得るのです。
ちなみに、2025年に開催された大阪・関西万博に、
コマツさん・青木あすなろ建設さんの共同出展で、
「未来の水中工事」として
時代を越えて進化したスイブル®が展示されていました。
詳しくはこちら👇

すごく余談ですが、娘が学校劇で
「水中ブルドーザーみたいなイセエビ」
と言ったとき、私は驚きました。
それは、スイミーの世界。
子どもの頃に、
この一節を読んだ記憶がある方は多いのではないでしょうか。
こんな一節に、重機ファンは反応します。
谷川俊太郎さんは、水中ブルドーザーをみていたのかもしれませんね。

災害の先に見える、平時のありがたみ
災害と重機は切り離せません。
災害の復旧・復興作業に重機は欠かせない存在です。
でも、本当に感じるのは「平時のありがたみ」ではないでしょうか。
私が涙した一冊があります。
赤い鉄橋を渡っていくよ|文研出版

上田市に住む写真家の岡田光司さんと、
その奥様の岡田康子さんによる写真絵本です。
長野県上田市の赤い鉄橋。そして地元の電車「別所線」。
表紙を見て、きれいな写真だなぁ、お子さま向けの電車の絵本かなぁと思いながら読み進めていきました。
すると、
2019年台風19号の襲来。
別所線は被災し、愛されていた赤い鉄橋が崩落します。
そこから、地元の人々、建設会社、鉄道会社が立ち上がり、
奇跡の復活を遂げる物語です。
重機の本ではないです。図鑑でもないです。
けれど、橋の再建設を通じて、重機が支える「地域と希望」の物語。
当たり前の日常を守る人たちの存在を、改めて感じさせてくれる一冊です。
まとめ
鉄道が文化になったのは、
物語があり、写真があり、絵本があり、
“好き”を語る人たちがいたから。
重機にも、同じだけの物語がある。
絵本やイラストとともに、
ひとりひとりの心に残る物語を伝え、
重機が「文化」へと育っています。
誰かの“好き”が、
誇りに変わり、
やがて社会を支える未来へ。
重機ファンダム、これからも応援よろしくお願いします!
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