Windows 10/11用にnekoつくってみました
はじめに ―― デスクトップを走り回る、あの「neko」をもう一度
パソコンの画面で、小さな猫がマウスカーソルを追いかけて走りまわる。

昔のX Window SystemやWindows95時代をご存じなら、「xneko」や「oneko」、あるいは「neko95/98」という名前に懐かしさを感じるかもしれません。

今回、その雰囲気を現代のWindows上で楽しめるようにしたソフトウェア、JunNekoを作りました。
単に昔のソフトを再現しただけではなく、キャラクターの変更や足跡、音声、多頭表示など、neko98までのさまざまな派生ソフトにあった機能も可能な限り再現し、古いリソース遺産も取り込めるようにし、一部機能は現代的に改修しています。
JunNekoとは
JunNekoは、デスクトップ上の猫がマウスカーソルを追いかけて走る、Windows用のデスクトップマスコットです。
カーソルを動かすと猫が追いかけてきて(にぶい子に設定すると追いかけてこないこともw)、追いつくと暇そうにしたり、ウィンドウをひっかいたりして、居眠りしたりします。設定によっては複数匹を同時に走らせたり、猫じゃないキャラクターへ差し替えたりもできます。
実用性があるかと言われれば疑問符が付きますが、マウスカーソルを見失いやすい環境でマウスを見やすくしたり、アクティブウインドウを追跡してフォーカスを見やすくしたり出来るので、多分実用的でしょう。多分。
ただ、パソコンを使っている間、画面の片隅で小さなキャラクターが走ったり、休んだり、ときどき追いつけずに慌てたりしている。それだけでデスクトップが少し楽しい場所になります。
開発のきっかけ
私は以前から、X Window Systemで動いていた古いデスクトップアクセサリーが好きでした。
[x|o]nekoもそんなソフトの一つで、シンプルだけど、妙に愛着が湧くソフトでした。
ところが、現在のWindowsで同じようなものを使おうとすると、古いソフトはそのままでは動かなかったり、現代の高解像度ディスプレイやマルチディスプレイ環境に合わなかったりします。
nekoが、今のWindowsにあったらいいなあ
と思ったのが出発点でした。
最初は「まあ先発みたいな機能はなくてもいいから、oneko-sakuraみたいに猫がカーソルを追いかけるだけでいいや」という感じで小さなプログラムを想定していました。でも実際に動き始めると、次々に欲が出てきます。
もう少し動きを自然にしたい。
大きさや速さを変えたい。
あのバージョンみたいに好きなキャラクターを使いたい、
複数匹を走らせたい、
足跡機能をなんとかして今のWindowsで使えるようにしたい、
音もほしい…。
ねこの鈍さ設定は円の方がいいんじゃないか…?
一時停止やらクリック透過やらがあった方がいいかな…
などなど。
こうして少しずつ機能を再現、追加していった結果、当初考えていたよりも、かなり本格的なデスクトップマスコットになったんじゃないかなと思います。
今回はさらに実験として、AIと連携しての開発を試してみました。単なるヴァイブコーディング、あるいはclaude codeやcodexへの丸投げは行わず、自分の分身のように扱ってみる試みでしたが、すごく面白い結果が得られました。
そのうち詳しく書くかも知れませんが、自分で書くようなコードが、数倍の効率でできあがります。
JunNekoでできること
主な機能は次のとおりです。
マウスカーソルを追いかけて移動
キャラクターの大きさと移動速度の調整
複数のキャラクターを同時に表示
キャラクター画像セットの追加と切り替え
移動した場所に足跡を表示
足跡の透明度や向きの調整
キャラクターごとの音声パック
ウィンドウの移動に追従する動作
タスクトレイからの設定変更
日本語・英語表示
Windows起動時の自動実行(インストーラのおかげですが><)
キャラクター画像は、決められた形式で用意すれば差し替えられます。
昔ながらのドット絵の猫を使ってもいいし、自分で描いたキャラクターや、画像生成AIで作った素材を調整して使ってもおk。
具体的には
neko95/98時代のアイコンライブラリ(16bit形式含む)
onekoソースに含まれるxbm形式(画像とマスク)
pngなどの画像
などなど。
足跡や音声は必須ではないので、バニラで使えばPublic Domainのnekoが昔ながらの雰囲気で動きます。
昔の雰囲気と、今の使いやすさ
JunNekoを作るうえで大切にしたのは、昔のソフトが持っていた軽快さや素朴さを残すことでした。
一方で、現在のWindows環境で使いやすいように、表示サイズ、移動速度、透明度、複数ディスプレイなども考慮しています。
懐かしい見た目ではありますが、単なる復刻ではなく、今のパソコンで使うためのソフトとして作っています。
こんな方におすすめです
昔のX Window SystemやUNIXワークステーションが好きだった方
xneko、oneko、oneko-sakura、neko[95|98]などのデスクトップアクセサリーを覚えている方
ドット絵やレトロPC文化が好きな方
デスクトップに少しだけ遊び心が欲しい方
自作キャラクターを画面上で動かしてみたい方
猫が好きな方
パソコンに向かう時間が長い方ほど、ふとした瞬間に画面上を走る猫が目に入り、少しだけ気分が和らぐかもしれません。
ダウンロード
JunNekoは、Windows 10/11向けのフリーソフトとして公開しています。なお、現在はソースは公開していません。
インストーラーには、次の2種類があります。
Framework-dependent版
.NET 10 Desktop Runtimeを別途使用する、ファイルサイズの小さい版です。
Self-contained版
必要な実行環境を含んだ、単体で動作する版です。どちらを選べばよいか分からない場合は、こちらが簡単です。
個人で制作・配布している未署名のソフトウェアなので、ダウンロード後にWindowsの警告が表示される場合があります。警告が表示された場合の手順については、このあたりが参考になるかも知れません。
…で、リソースはどこにあるのよ?
現時点では、nekoはとっくにブームの去った、前世紀の遺物です。
リソースも新たに作られてなどいないでしょうし、一次配布場所も閉鎖されたり移転したりで絶滅の危機。
かといってソフトにあらかじめ組み込むには権利関係がグレーなものもあって…という状況です。
でもせっかく作って、過去の遺産も使えるようにしたのに、それらが散逸するに任せるのもなんか嫌。
なので、ひとまずこの記事でミラーすることにしました。問題があれば削除するので教えてください。
まずは古いWindows用のnekoのソース。
展開して出てくるresフォルダがneko98用のキャラです。多分Windowsでnekoといえばこっちなので、オリジナルよりもこっちが好きな人もいると思います。口の中に色が塗られている、ZZZが削除されているなど些細な違いがあります。
resフォルダをneko98_nekoなどと改名してからJunNekoでインポートします。足跡データなども内蔵されています。
次に単体版の足跡データ。
展開して、JunNekoの設定にある「足跡」項目からインポートすると、足跡機能がアンロックされます。
neko98形式のキャラデータ以外でも、このリソースがあれば足跡が付くようになります。ただし肉球ですがw
あと、どこに書くか迷いましたが、足跡は従来と違う方式で実装されているので、4匹にして足跡をつけるとそこそこ重くなります。本末転倒w
追加キャラデータ集1
Kiichiroh Mukose氏作成の追加キャラデータです。
もともとはlhaで作成された拡張子lzhのアーカイブでしたが、zipにリパックしました。CCさくらのキャラが2種類収録されています。Windows以前の日本独自のパソコン時代から存在するので、READMEの拡張子がdocですが、Wordドキュメントではなくプレーンテキストです。
追加キャラデータ集2
有志作成の追加キャラをまとめたものです。展開してicl(アイコンライブラリ)をインポートすればキャラが追加されます。権利関係はCredits.txtに記載されているので、念のため目を通しておいてください。
oneko-sakuraのソースzip版
tarballもありますが、Windowsユーザーにはあまりなじみがないでしょうし、内容は同じで、かつパーミッションも無関係なのでzipで十分でしょう。
bitmapsとbitmasksディレクトリをインポートすればキャラが追加されます。…されるんですが、これは既にJunNekoで標準的に使っているものなので、あくまでインポートの実証実験に使うくらいですね><;
サウンドデータ
犬と猫のサウンドデータです。catsoundはMattさんという方の作成ですが、dogsoundはもはや作成者も不明…
ファイル名どおりに自作すれば、オリジナルのサウンドデータも追加できます。
これらのデータのオリジナルが置いてある場所もポイントしておきますね。
sourceforgeのneko98のソースや、onekoのソースあたり、neko for windowsのオフィシャルサイトのアーカイブあたりにあります。
とはいえ、存続性としてはかなり危うい感じで、特にarchive.org頼みのリソースについては元のサイトが既に消滅している状況です。
猫が一匹いるだけで
現在のパソコンは、昔に比べて圧倒的に高性能になりました。
けれど、性能が上がる一方で、意味もなく楽しい小さなソフトは減ってしまったようにも感じます。
仕事の効率を上げるわけでもなく、大きな問題を解決するわけでもない。でも、パソコンをただの道具ではなく、少し親しみのある存在にしてくれる。
JunNekoも、そんな昔ながらのデスクトップアクセサリーの一つになれればと思っています。
あなたのデスクトップにも、一匹(~四匹w)いかがでしょうか。
